映画『終戦のエンペラー』でプロデューサーを務めた奈良橋陽子らがこのほど、ニコニコ生放送で行われた『終戦のエンペラー』特番に登場した。
映画『ハンニバル・ライジング』(2007年)などで知られるピーター・ウェーバー監督がメガホンを取り、トミー・リー・ジョーンズやマシュー・フォックス、初音映莉子、西田敏行、桃井かおりといった日米の俳優たちが共演したことでも話題となっている映画『終戦のエンペラー』。同作のキャスティングについて奈良橋は「ほとんどの人が是非やりたいと言ってくれた」と振りかえり、「昭和天皇役の片岡孝太郎さんには諦めずに何度も、楽屋にも説得に言ったのですが、その時、勘三郎さんが「出たほうがいいよ」って孝太郎さんに言ってくれたんです。それが私にとっても勘三郎さんの最後の言葉でした」と昭和天皇役の片岡孝太郎をキャスティングしたときのエピソードを明かした。
また、出演者の意外な一面などは「皆それぞれあるんですが、なかなか言えないですね」と前置きしつつ、「トミー(トミー・リー・ジョーンズ)は、スタッフ、クルーには怖いという評判で皆近づけなかったのです。普通の役者は普段撮影中は自分達のトレーラーの中で、食事をとるのですが、トミーも皆と同じ場所にご飯を食べにきていました。でも皆怖くて近づけなくて、プロデューサーが一緒に食事をしたりして(笑)。トミーは余計な事が嫌いな人で、お世辞とかは言わない、とても頭のいい人です」とアカデミー賞俳優であるトミー・リー・ジョーンズの撮影現場での様子を紹介した。
ほか、同番組の第2部では東進ハイスクールの日本史講師などを務めている金谷俊一郎や作家の竹田恒泰らが同作にまつわるスペシャル座談会を実施。金谷は「今まで海外で製作された映画では、天皇陛下が戦争責任者として描かれてきましたが、この映画ではとても冷静にその存在について描かれています」とコメント。また、竹田も「天皇陛下を題材にした映画は日本では敬遠されがちです。そうなるとハリウッド映画が多くなりますが、今までは本当にひどい描かれ方をしてきた。お願いだから外国人が天皇陛下を描くのはやめてほしいと思ってました」としながらも、同作については「アメリカの考えも、日本の考えも描かれている。そういう意味で日本の若者にも見てほしいし、アメリカでこの映画が上映されたことにも意義がある映画だったと思います」とこれまでの作品とは違った形でしっかりと天皇陛下が描かれていると絶賛していた。
映画『終戦のエンペラー』は現在公開中。