香港にある「美香村茶莊」では、2代目店主・蘇文鏗さんがお茶を案内してくれる

香港女子はお茶へのこだわりがすごい

香港で出会ったステキ女子たちと食事をすると、必ずといっていいほどお茶の話になる(特に香港の女性は、あまり食事中にお酒を飲まない)。自分の今の体調に合わせてプーアール茶を飲んでいたり、好みの菊花茶を飲んでいたり、又はプーアール茶だけだと濃いので菊花茶と混ぜて飲んでいる、などお茶ネタに花が咲く。

そして、さらには緑茶は身体に良くないから、ほとんど飲まないとも言うのだ。理由を聞いてみると、緑茶は身体を冷やすので、女子の身体に冷えは大敵とのこと。特に生理の期間は避けた方が良いのだと言う。

緑・白・黄・青・紅・黒などを飲み分ける

世界万国、お茶の種類は豊富と言えど、中国のお茶の種類は何と数千種にも及ぶという。主なものは、緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶の六種で、六大茶類と呼ぶ。

例えば、烏龍茶は青茶、香港で人気のプーアール茶は黒茶だ。これらは発酵の度合いの違いで分類され、緑茶のみが不発酵茶。東洋医学では緑茶は身体を冷やすと言われており、逆に色の濃いお茶は身体を温めるそう。

同じ茶葉でも、数十年寝かせたものは高級品となる

一番茶は捨てることが多く、茶はお湯に浸さずにさっと注ぐ

発酵度の身体を冷やす作用について科学的な根拠は不明だが、中国ではそもそも薬としてお茶を飲んでいたので、自分の身体にあったお茶を選ぶという習慣が自然と身に付いている。身体を温めるために日本では風呂に入るように、香港では茶葉の濃いお茶を飲むことが、毎日できる健康法なのだ。

ちなみに、白茶なら福建省の「寿眉(サウメイ)茶」、紅茶なら安徽省の「六安茶」が女性にはおすすめ。中国全般では緑茶が人気で、一般的なのは杭州の緑茶「龍井(ロンジン)茶」。六大茶類以外にも、花茶といってジャスミン茶や菊花茶などのように、花弁の香りを付けたり花と混ぜたりするお茶も人気となっている。

美香村茶莊

50年以上前からセントラルにある老舗の茶店。蘇文鏗さんは2代目店主。1斤(600g)単位の量り売りだが、100g単位でも買える。高級茶とされる六安茶は100g/100香港ドル(約1,280円)など。