カスペルスキーは、スパムの世界動向を分析した6月のスパムレポートにて、アップル関連のスパムや広告が頻繁に出回ったと発表した。スティーブ・ジョブズを例に挙げ「ビジネスマンの成功の秘訣を教える」などとうたったスパムメールも確認されたという。このスパムの内容は無料トレーニングの広告文だった。

「スティーブ・ジョブズ成功の秘訣」と題されたメール

また、アップル製品が注目を集めるにつれ、不当に安い公式デバイスの販売をうたうスパムメールも数種類検されたという。正当なメールに見せかけるため、メールの「送信者」フィールドにはアップル社との関係を匂わせる会社名が入れられる。本文は、スパムフィルタを回避するため難読化され、アップルに関する実際のニュースや、ニュース配信会社のWebサイトへのリンクを挿入。「限定商品につき即刻注文を」と決断を急がせるという。ほか、アップル製品に関連するトレーニングセミナーの宣伝では、iPadやiPhoneを使った動画作成を教えるWebセミナーのスパム広告も検知されている。

6月のスパムの世界動向としては、SNSを狙ったフィッシング詐欺の件数は減少したが、メールやIM(インスタントメッセージ)を狙った攻撃は急速に増えているという。同社では、これを夏休みでSkypeやメールの利用者が増えるためと分析。SNSのユーザーアカウント情報はブラックマーケットで需要が高いため、ログイン情報が狙われているという。