カナダのスマートフォンメーカーBlackBerryは8月12日(現地時間)、同社自身の売却も含めた新戦略を模索する特別委員会を設置したと発表した。エンタープライズ市場を中心に長らく君臨してきたBlackBerryだが、近年はiPhoneやAndroidといったライバルに対し苦戦を強いられており、この変化の激しい市場で生き残るためのさまざまな方策を模索し始めている。
同社が12日に発表した声明によれば、現在同社がコアとしているBlackBerry 10ならびにBES 10の展開が主眼にあり、これを推進するための施策として新戦略を模索する特別委員会を設置したという。この新戦略には、他社との戦略提携のほか、ジョイントベンチャーの設置、そして自身の売却などが含まれている。BlackBerryプラットフォームをサポートしてくれる強力なパートナーが出現するのが望ましい展開だが、もしそれがかなわない場合には売却先を探し出すことになるとみられる。
特別委員会は役員会メンバーから選出され、会長のBarbara Stymiest氏、CEOのThorsten Heins氏、Richard Lynch氏、Bert Nordberg氏らが参加し、Timothy Dattels氏がボードチェアーを務める。なお、役員会メンバーだったFairfax Financial会長兼CEOのPrem Watsa氏は、この特別委員会設置発表のタイミングで同職を降りる意向だという。このほかJP Morgan Securitiesが金融アドバイザーとして、Skadden, Arps, Slate, Meagher & FlomとTorysが法律アドバイザーとしてそれぞれ就任する予定だ。
BlackBerryを巡ってはLenovoをはじめ複数社がたびたび買収の意志を示しているが、セキュリティ機能を強みとするBlackBerryの中国企業による買収には警戒の声もあり、一筋縄ではいかない可能性が高い。ゆえにパートナー選びが最大の課題であり、その過程でどの方法が同社にとって最良なのかを見極めていく形になるとみられる。