本のスキャンには「ブック補正」が便利
ScanSnap SV600には、本の読み取りをサポートする「ブック補正」という機能が用意されている。本を見開きにすると中央部分にふくらみがあるため全体が歪んでしまうが、ブック補正はこれをワンタッチで補正する。裁断した用紙のように、平らの読みやすいイメージデータが生成できるのだ。
ブック補正を利用するには、ファイルを保存するときに「本や雑誌などの見開き原稿を、歪みの補正をして保存します」を選ぶだけ。うまく補正できないページがあっても、本の輪郭を手動で指定することで、歪みを補正できる。ただ、ページによっては、端の部分やセンター部分に染みのようなムラが目立った。このあたりはソフトウェアの改良を待ちたい。また背景マットが黒いため、縁の部分が黒く印刷されているような本はうまく読み取ることができない。
このほか、見開きページを左右のページで分割する機能や、写り込んだ指などの画像をマニュアルで補正する「ポイント・レタッチ」機能もある。文庫本や薄っぺらい小冊子を読み取るときは、指で押さえなければならないことが多い。ポイント・レタッチは、このような場合でも、映り込んだ指をすばやく消し去ることができる。補正作業はページ単位で行う必要があるため、何十ページもあるときは処理するのが大変だが、操作自体は画面をクリックするだけなので簡単だ。
本の読み取りで、もう1つ便利なのが「ページめくり検出」だ。スキャンを行うときに、ページをめくったことを自動検出して連続スキャンできるという優れもの。ページをめくれば、自動でスキャンを開始するので、わざわざ「Scan」ボタンを押す必要がない。
加えて「タイマーモード」も用意され、設定した間隔(0~10秒)で自動的に連続スキャンが可能だ。慣れてくると数秒の設定でも十分な余裕を感じられ、本をペラペラとめくりながら連続スキャンしていける。ページめくり検出とタイマーモードの両方を試してみて、使いやすいほうを利用するとよいだろう。
実際に試してみると、大量のページを読み取るのは、思ったよりも大変なことが分かる。時間がかかるうえ、終わるまで手が離せない。30ページの小冊子でも、スキャンするのに約6分かかった。1回のスキャンを行うのに、読み取りで約3秒、ページをめくるのに2秒かかる計算だ。200ページ程度の本なら、40分前後は必要とみなければならない。