8月10日(現地時間)、スウェーデンのBitTorrent(P2Pネットワーク経由でファイル転送を行うプロトコル、およびアプリケーション)ファイル検索サイトであるThe Pirate Bay(ザ・パイレート・ベイ)はサイト設立10周年を記念し、検閲されたWebサイトを閲覧できるWebブラウザー「PirateBrowser」のリリースをブログで発表した。

「PirateBrowser」の公式ページ。執筆時点ではバージョン0.6bを配布中

PirateBrowserは、Tor(トーア)クライアントとMozilla Firefox Portableに独自設定を加えたパッケージで、Tor Browser Bundleに類似している。PirateBrowserを起動すると最初にTorクライアントとなるVidalia Control Panelが起動し、Torネットワークに接続してからMozilla Firefoxが起動する流れはTor Browser Bundleと同じだ。

ただし、Tor Browser BundleはESR(法人向け延長サポート)版を採用しているのに対し、PirateBrowserは最新版となるMozilla Firefox 23を採用。また、公式サイトのFAQによると、匿名によるWebブラウズ機能は有効になっていないと説明し、あくまでも政府が施したWebサイトへのアクセス制限を乗り換えることを目的としているという。

起動にはTorネットワークへの接続が最初に実行される

Torネットワークとの接続完了後にMozilla Firefox 23が起動。ホームページやブックマークはあらかじめ変更されている

なお、今回はWindows OS版のみリリースし、その他のOS用は用意されていない。ちなみにTorは「The Onion Router」の略で、TCP/IPの接続経路を匿名化して、仮想回線構築を目的とした実装の一つ。最近では個人のプライバシーを守るためではなく、犯罪などに用いられるケースが増えているという。