モデルの押切もえが11日、東京・新宿の福家書店で小説家デビュー作となる『浅き夢見し』(発売中 1,260円 小学館刊)の発売記念イベントを行った。

小説家デビュー作『浅き夢見し』の発売記念イベントを行った押切もえ

同書は、押切が約3年にわたって書き上げた初の長編小説。25歳の売れないモデル・村田瞳を主人公に、ネガティブな感情やさまざまな試練に押しつぶされそうになりながらも、「売れるモデル」へと成長していく姿を描いた。初版1万部で8月7日に発売され、売れ行き好調により8,000部の重版が決定。3年という月日をかけて紡ぎ出した著書を手に、押切も「とにかく書けたことだけでうれしかったです。本当にすてきな体験をさせていただいたと思います」と誇らしげで、実際に読んだ後輩モデルの反響や蛯原友里から「読むね!」と言われたエピソードなどをうれしそうに語った。

こうして小説家デビューが現実のものとなったが、その作業は一筋縄ではいかなかった様子。「書き方が全く分からなくて挫折した数カ月もあります」と明かし、「物語の書き出しは書けたんですが、どうやってストーリーを展開させていくか、終わらせるかというのにすごく悩みました」とその苦労を振り返った。2009年に出したエッセイ『モデル失格』が累計16万部を超えるヒットを記録した押切だが、あえて小説を書いた理由について「フィクションという形を取ることで自分の感情をより掘り下げて書くことができるのと、私の立場からは言えないようなこともフィクションを通すと伝わるのかなと思いました」と説明。「充実した日々を送りたいと思っている方にぜひ読んでいただきたいです」とアピールした。

次回作については、「大変だったけど、また書きたいと思います。今回はモデルの世界を舞台にしましたが、全然違う職業の世界を書けたらいいですね」と意欲的。報道陣から「官能小説はどうですか?」と提案されると、「官能小説(笑)。挑戦する日が来るかもしれません。書きたくてしょうがなくなる日も来るかもしれません(笑)」と苦笑いを浮かべていた。また、映像化については「全く考えてなかったです。本を書き終わる前に下心を出すといい本にならないといろんな方に言われたので」としながらも、主人公を演じる役者について聞かれると、「見るからに応援したくなるような、キラキラした目を持つ女の子がやってくれたらと思います」とイメージを明かした。

同書は、モデルの成長を描きつつ、一人の女性としての恋愛も同時進行していく。自身の恋愛については、『浅き夢見し』のパネルを指差しながら「えーっと…このタイトルくらいな感じで。浅くふんわりとした感じですかね」と笑顔。また、モデルとしても活躍中のスザンヌが第1子を妊娠したことに触れ、「本当によかったなと思いますし、めでたいです」と祝福した。そして、自身の"めでたいこと"について聞かれた押切は小説家デビュー作を手に「うーん…これを生んだくらいですね。夢見る大人でいきます」と語り、報道陣の笑いを誘っていた。