内定式の実施状況

ディスコは、今春入社者に対して実施された内定式や、内定者フォローに関する調査データをもとに、企業・学生双方の立場から見た特徴・課題などについてまとめた。

入社前フォローの一つとして「内定式」が定着しつつある

内定式(内定者集合)の実施率は、新卒採用マーケットの回復に伴い上昇傾向。2011年度採用(2010年調査)では61%だったのが、2012年度採用(2011年調査)では65%、2013年度採用(2012年調査)では72%と、2年間で11ポイント増加しているという。

内定式の内容

内定式で行った内容で最も多かったのは「内定者懇親会(食事会)(88%)」で、「内定証の授与(70%)」を上回っているほか、3社に1社が、ワークなどを用いた「内定者研修(33%)」を行っている。現行の採用スケジュールでは、4月~5月が内定出しのピーク時期。内定から入社まで1年近くある学生も多いため、内定者同士の交流やモチベーションアップの場として、内定式を活用するケースが定着していることがうかがえる。

企業の9割弱が内定者フォローに悩んでいることが判明

内定者向け研修や内定者フォロー導入時に意識すること

内定者向け研修や内定者フォローを導入する際に、企業が意識することとしては、「入社意欲の維持、醸成(74%)」が最多。次いで、「内定者同士のコミュニケーションの活性化(70%)」、「学生から社会人への意識変革(67%)」となり、内定期間中の研修・フォローは、能力向上など実務的なものよりも、内定者の意欲や意識に影響を与えるのが主な目的であることが分かる。

内定式をフォローする上での悩み

また、内定者をフォローする上で悩んでいることについて聞いたところ、「特に悩みはない」との回答は14%にとどまり、9割近い企業が内定者のフォローに何らかの悩みや課題を抱えていることが分かった。

「内定式」がなくてがっかりする学生も

内定式の有無と日にち

就職先を決定したという学生に、「内定式」参加の有無をたずねたところ、72%が内定式が「あった」と回答。内定式の開催日は、倫理憲章で正式内定日とうたわれている「10月1日」に集中しており、80%にのぼった。

内定式がないことについての考え

内定式がなかったと回答した学生(28%)に心情を聞いたところ、「特に何とも思わない」が63%。一方、「参加したかったので残念(30%)」という意見もみられた。なお、内定式がなくて残念に思っているのは、女子よりも男子に多いという特徴がみられる。

半数弱の内定者は入社前に教材を使った学習課題あり

内定企業から教材を使った学習課題の有無

課された学習の内容

内定企業から教材を使った学習を課されていると回答した学生は47%。学習の内容は「資格取得・専門知識」が56%で最も多く、ビジネスマナー(41%)、英語検定やTOEICなどの英語関連(25%)と続いた。

課された教材の形態

また、課されている学習教材の種類で最も多いのは「印刷物の教材・ワークブック(67%)」。次いで、インターネットを使っての「eラーニング、SNSを使用した教材」も55%となり、過半数を占めた。

なお、同まとめは、全国の主要企業1,130社(2012年11月27日~12月5日)と1,045社(2月20日~28日)を対象に行った「採用活動に関する企業調査」と、今春入社の大学・大学院卒者1,122人を対象に行った「日経就職ナビ 学生モニター調査」(2012年10月1日~9日)をもとにしている。