Indiegogoのクラウドファンディングを使って7月22日にスタートしたスーパーフォン「Ubuntu Edge」開発プロジェクトだが、締め切りの8月21日まで2週間を切った現在3200万ドルという目標数値の3割にあたる947万ドル強という水準でやや苦戦しているといえる。だが大口顧客のサポートも考慮に入れれば、まだプロジェクトに最終的なゴーサインが出る可能性も残っている。
OSCON 2013でCanonicalのMark Shuttleworth氏によって発表され、大々的にスタートしたUbuntu Edgeの資金調達プロジェクトだが、ほかのクラウドファンディング・プロジェクトがそうであったように、最初の1週間を経て勢いが急速に衰えている。3200万ドルという非常に大きな金額だが、現在のペースでは半分の水準に到達するのも厳しい可能性がある。だがPC Magazineに掲載された同社のコメントによれば、同社は3200万ドルという目標を崩しておらず、まだ達成可能な水準にあるとしている。
また締め切りまで2週間を切った段階で、プロジェクト当初にあった600ドルと830ドルという出資オプションの代わりに、695ドルのオプションが新たに設定された。これは実際の製品出荷が開始された2014年5月の段階でUbuntu Edgeを1台受け取れる権利がついており、同時にLastPass Premiumの1年間サブスクリプション、そしてUbuntu Edge Foundersのページに名前が掲載される特典が用意されている。なお、以前に830ドルでUbuntu Edge購入権を選択した出資者に対しては、ファンディング終了後に差額分のリファンドが行われるという。実質的に価格を引き下げることでさらなる出資者を引き出すのが狙いだ。
こうした施策でも資金集めの状況はいまだ厳しいといえるが、1つ興味深いサインとなっているのが80,000ドルの出資オプションを選択した出資者が1人いるという点だ。80,000ドルのオプションでは、100台のUbuntu Edgeとオンラインサポートを受けられる権利を取得できる(原稿執筆時点では「115台」へと変更されている)。前述PC Magazineによれば、これはメディア企業の米Bloombergであり、同社がエンタープライズ端末としてのUbuntu Edgeに期待を寄せていることの証左になっている。80,000ドル出資オプションの枠は50あり、Bloomberg分を除く49がいまだ空きとなっている。もしBloombergのようにUbuntu Edgeのコンセプトに賛同する企業がほかに出てくるのであれば、今後の盛り返しに期待できるかもしれない。
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