Mozillaから、「Thunderbird 17.0.8」がリリースされた。Thunderbird 17.0.8で行われたセキュリティアップデートを紹介し、フォルダペインのアカウント表示順序などを変更するアドオン「Manually sort folders」を紹介しよう。

Thunderbird 17.0.8のアップデート

まずは、Thunderbird 17.0.8へアップデートする。[ヘルプ]メニューの[Thunderbirdについて]から[再起動して更新を完了]をクリックする。

図1 バージョン17.0.7からのアップデート

新規にインストールするならば、Thunderbirdの公式ページから[Thunderbird無料ダウンロード]をクリックし、インストーラをダウンロードする。

図2 Thunderbirdの公式ページ

アップデートしたThunderbird 17.0.8を起動したところが、図3である

図3 Thunderbird 17.0.8を起動

今回のアップデートもセキュリティ修正のみで、修正は以下の通りである。

・ローカルJavaアプレットによるローカルファイルシステムからのファイル読み取り[高]
・WebワーカーとXMLHttpRequestによる同一生成元回避[高]
・一部JavaScriptコンポーネントURI検証へのプリンシパル誤適用[高]
・CRMFリクエストを通じたコード実行とXSS攻撃[最高]
・ドキュメントURIの不正表示と偽装[高]
・Mozilla Maintenance ServiceとMozilla Updaterにおけるバッファオーバーフロー[高]
・さまざまなメモリ安全性の問題(rv:23.0/rv:17.0.8)[最高]

当然であるが、なるべく早めにアップデートをしておきたい。

アカウントやフォルダの並び替えをする「Manually sort folders」アドオン

Thuderbirdの起動画面では、左のペイン(フォルダペイン)にアカウントとローカルフォルダの一覧が表示される。複数のアカウントを設定していると、図4のようにすべてのアカウントが表示される。

図4 複数のアカウントとローカルフォルダを表示

新しいアカウントやフォルダを作成すると図5のようになる。

図5 新しいアカウントとフォルダを作成

アカウントの場合は、既存のアカウントの下に新たなアカウントが作成される。フォルダの場合は、受信トレイなどはあらかじめThuderbirdデフォルトの並びとなる。ローカルフォルダは、フォルダ名でソートされた状態となる。そして、この順序は変更できない。フォルダの場合は、サブフォルダへの移動は可能であるが、こちらも順序を指定することができない。

アカウントの場合は、もっともよく使うアカウントほど上にあってほしいと思うこともあるだろう。デフォルトでは、古いものほど上にあるので、それがもっともよく使うアカウントであればそんなに不便ではない。しかし、多数となってくると、自分好みにアカウントを配置したくなるものだ。これを実現するには、一度すべてのアカウントを削除して、上に配置したいアカウントの順番でアカウントを作成すればよい。しかし、すべてのアカウントを一度削除するのは、あまり現実的ではないだろう。

フォルダについても同じことがいえる。そんな希望をかなえてくれるアドオンがManually sort foldersである。まずは、インストールから始めよう。アドオンマネージャに「Manually sort folders」で検索する(図6)。

図6 「Manually sort folders」を検索

この例では、最初にみつかった。[インストール]をクリックして、インストールする。再起動後に有効になる。まずは、アカウントの順序を変更してみよう。アドオンマネージャでManually sort foldersの[設定]をクリックする(図7)。

図7 アドオンマネージャの[設定]

ここでは[アカウントの並び替え]タブを選択する(図8)。

図8 [アカウントの並び替え]タブ

左にアカウントの一覧が表示されるので、変更したいアカウントを選択して、右にある[上へ]や[下へ]をクリックし、好みの位置に移動させるだけである。設定を反映させるには、下の[Thuderbirdの再起動]をクリックし、再起動する。実際に、図9のようになる。

図9 変更されたアカウントの並び

[アカウントの並び替え]タブでは、もっとも上にくるアカウントの種類も選択できる。プルダウンメニューを表示すると、図10のようになる。

図10 フォルダペイン最上部のアカウント設定

ここでは、RSSまたはメールアカウントとローカルフォルダしかないが、ニュースグループのアカウントがあれば、それも選択可能となる。ローカルフォルダを最上位にもってきたのが、図11である。

図11 ローカルフォルダを最上位に

筆者の個人的感想であるが、これはあまり使い勝手がよくなかった。もっともよく使うアカウントの受信フォルダが上のほうが、利用する頻度が高いからであろう。次に、フォルダの並び替えをやってみよう。アカウント同様、[設定]から[フォルダの並び替え]タブを表示する(図12)。

図12 [フォルダの並び替え]タブ

アカウントやローカルフォルダごとに設定を行える(図13)。

図13 選択可能なアカウントとローカルフォルダ

まずはローカルフォルダを設定してみよう。その下のプルダウンメニューでは、表示方法の選択ができる(図14)。

図14 表示方法の選択

並び替えを行うには、[手動による並び替えを使用する]を選ぶ。先ほどのアカウントと同じく、[上へ]と[下へ]ボタンが表示されるので、左のペインでフォルダを選択し、移動すればよい。ここでは、「book」「private」「project01」「work」の4つのフォルダがあるが、まず[手動による並び替えを使用する]を選択した段階で、単純ソートされる。ここでは、workを一番上にもってきた。[フォルダペインの更新]をクリックすると、変更が反映される。

図15 ローカルフォルダの並び替え

Thuderbirdのデフォルトでは、ごみ箱が一番上にあったが、これまでなんとなく不満であった。このあたりが解消され、使い勝手がよくなった印象がある。アカウントごとでも、フォルダの並べ替えも行える。しかし、どのアカウントでも、受信トレイは上にあったほうが使いやすい(Thuderbirdのデフォルトでもある)。このあたり変更せず、Gmailのサブフォルダの並べ替えなどをしてみるのも、おもしろいであろう(図16)。

図16 Gmailのサブフォルダの並び替え

最後、[追加設定]タブでは、起動フォルダの選択が可能である(図17)。

図17 [追加設定]タブ

Thuderbirdのデフォルトでは、最後に開いていたフォルダとなる(Manually sort foldersアドオンのデフォルトもそうなっている)。ここで、特定のフォルダを設定することで、たとえば、いつも同じフォルダ開くようにできる。もっともよく使うアカウントの受信フォルダを設定すれば、起動のたびにいつでも最初に新着メールチェックが行われるようになる。

Manually sort foldersアドオンを無効、もしくはアンインストールすると、設定した並べ替えはすべて破棄され、Thuderbirdのデフォルトが適用される。これまでのフォルダペインがなんとなく使いにくいと感じているのであれば、ぜひ試してみたいアドオンである。