PCやスマートフォン向けにユニークな製品を販売する上海問屋から、またしてもチャレンジングな製品が登場した。
USBで接続し、PC画面で照準を合わせてBB弾を発射する電動エアガン「USBスナイパー(DN-84822)」である。
BB弾といえば筆者の世代ではおなじみのおもちゃで、エアガンから実際に発射できるプラスチック製の小さな弾丸だ。今でも子どもはもちろん、サバイバルゲームなどでも幅広く使われている。
そのBB弾を、PCモニタ上で照準を合わせながら発射できるということで、「ああ、なんかBB弾がポーンって飛び出すんでしょ」くらいに軽く考えていたのだったが、実際に使ってみるとこれが大違い! ものすごく本格的な"BB弾砲台"だったのだ。
……ということで、こちらがUSBスナイパーである。想像していたよりも大きめだが、重さは見た目ほどではなく片手で楽に持てるくらいだ。砲台周りはけっこう細かくデザインされていて、メカ好き、ミリタリー好きならワクワクするんじゃないだろうか。
付属しているのは電源アダプターとBB弾、ドライバーCDとシューティングターゲットだ。まずはドライバーCDでソフトをPCにインストールする。セッティングはすぐ終わるので、そうしたらUSBスナイパーをUSBでPCに接続し、電源アダプターをつなぐ。このとき、PC接続の前にアダプターをつなぐと本体がガリガリ動き出してびっくりするが、特に問題はない。でも音が大きいのでUSBから先につないだ方がいいと思う。
接続したら起動したソフトの画面の「Play」をクリック。すると……。
PCモニタに部屋の様子が映し出された。わかりにくいが、映っているのは部屋の隅にあるドアと天井だ。見上げているようなアングルである。
なぜ映し出すことができるのかというと、USBスナイパー本体にカメラがついているから。ちょうど砲身の上に位置しており、ここから取り込んだ映像を見ながらモニタ上で照準を合わせられるのである。なんだかアニメに出てくるロボットのコクピットみたいでかっこいい。
で、この砲台の向きは画面上で動かすことができる。画面右下のコントローラをクリックしてやれば、上下左右にぐりぐりと向きを変えられるのだ。稼働範囲は左右に120度、上下に35度とかなり角度がつく。この状態だけだと要するにWEBカメラなのだけど、砲台の動きに合わせてモニタの映像が変わるというのは、見ていてテンションが上がる。
さあ、では実際に撃ってみよう。付属のターゲットでもいいのだけど、それだと面白くないので大中小3つの的を用意してみた。左からソルジャー型のブックエンド、買ったばかりのスマートフォン、タブレットケースである。……ものすごく私生活丸出しなのは見なかったことにしてほしい。
狙いをつけるのはモニタ上だ。スコープを呼び出すとカメラの中央がデジタルズームで拡大され、照準しやすくなる。光学ズームではなくデジタルズームなので画質は多少荒くなるのだが、狙いをつける分にはとくに問題はない。
……OK! それではいよいよ砲撃開始だ。BB弾を装填し、ソルジャーの頭部に狙いをセット。3、2、1……発射!
パンッ!
……えっ!?
自分で発射ボタンを押しといて何なんだが、このUSBスナイパーの射撃スピード、ハンパなく速い。「ポーンって飛び出すんでしょ」とナメたことを考えていただけに、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になってしまった。いや、この場合は鳩がBB弾を食ったような顔、か。
慌てて公式ページを確認すると(今かよ!)、BB弾の初速は何と「約30m/秒」だという。め、めちゃくちゃ速いじゃないですかこれ……。
その後、再びBB弾を装填し直し、今度は目を凝らしてターゲットを見ながら発射! 相変わらず目にも留まらぬスピードなのだが、ちゃんと当たったことは確認できた! 距離的には2.5mといったところだが、この程度の距離ならモニタ上で合わせた照準とほとんど誤差なく狙い撃つことができる。
ということで、せっかく大中小3つのターゲットを用意したのだが、試してみるとすべての的に正確に命中させることができた。実験としては中途半端だったが、USBスナイパーの照準の正確さは十分に証明できたのではないかと思う。
ってな感じで、思わぬスピードと正確さに驚かされたUSBスナイパー。最初はネタ的なおもちゃかと思っていたのだけど(もちろん基本的にはそうなんだけど)、意外と使い方次第では実用性もあるんじゃないだろうか。たとえばリモートデスクトップで外部から操作して防犯に使ったりとか……(少なくともこれが玄関先に設置されてあって、砲身がウイーンと動くだけでも空き巣的にはかなりプレッシャーになりそうだ)。
ま、それはさすがに非現実的かもしれないけど、想像力次第では遊び以外にも使えそうなアイテムである。PCと連携できるちょっと変わった製品が好きな人は、ぜひ手にしてみては?