90年代を代表する世界中にいまだ数多くのファンを持つ、武内直子の『美少女戦士セーラームーン』を原作とした新作アニメ、およびミュージカル「美少女戦士セーラームーン -La Reconquista-」の製作発表会が4日、東京・六本木のニコファーレで行われた。
『美少女戦士セーラームーン』は、1992年より漫画雑誌『なかよし』(講談社刊)で連載されていた少女マンガ。後にアニメ化も果たすなどメガヒット作品へと成長し、そのブームは国内にとどまらず世界中に広がっていった。今回の20周年プロジェクトでは、新作アニメ化、ミュージカル化、フィギュア化、コスメ化などさまざまな企画が展開されている。そのひとつ「美少女戦士セーラームーン La Reconquista」が9月13日より、東京 AiiA Theater Tokyoで10日間に渡り上演される。この日の発表会には、セーラームーン役の大久保聡美をはじめとした主要キャストが実際のステージ衣装で登場。また、すでに制作が発表されている新作アニメ『美少女戦士セーラームーン』の放送開始時期なども発表された。
発表会は、まず20周年プロジェクトの取り組みや新製品について、講談社の『美少女戦士セーラームーン』担当編集の小佐野文雄氏より発表された。ステージ上に登場した小佐野氏は、新製品情報の発表に先立ち、原作者・武内直子より以下のメッセージを代読している。
「『美少女戦士セーラームーン』は、1991年秋ごろから考え始めました。あの頃は、若くてエネルギーが無限にあり、リアルも妄想も充実していました。若いころの私のワクワクが詰まっている作品です。いま、20周年を迎えて、ファンの皆さまとスタッフの皆さまに感謝するばかりです。9月に始まるミュージカルをとても楽しみにしています」
続いて小佐野は、今回のミュージカルについて「ミュージカルは、原作やアニメ終了後も長く愛され続けたコンテンツということもあり、20周年プロジェクトのスタートとして相応しいのではないかということで、今回上演することになりました」と構想と経緯を説明。このほか、話題を集めたネイルセットやファンデーションに続くコスメ第3弾企画や、新たに武内直子が表紙を執筆する原作コミックの完全版、プライズ玩具といった新製品に関する情報も発表されている。
新製品など告知に続いて、ミュージカルに出演する主要キャストからセーラームーン役の大久保、セーラーマーズ役の七木奏音、セーラーヴィーナス役の坂田しおり、そして四天王ゾイサイト役の彩夏涼、ジェダイト役のルウト、ネフライト役のコロ、クンツァイト役の小松美咲の7人が、実際の衣装をお披露目。今回、ミュージカルでシリーズ史上初となる女性が演じることになった、タキシード仮面役の元宝塚歌劇団宙組トップスター・大和悠河によるビデオメッセージも上映された。大和は「宝塚卒業後、男役を演じるは初めてです。宝塚を辞める時に、男役を演じるのはこれで最後だなと思っていた」と前置きしつつ、「宝塚の時以上にカッコよく、素敵にロマンチックに演じられたら思います。また格好いいだけではなく、大人の優しさもにじみだしていければと思っています」と意気込みを話した。
キャストによるトークショーでは、武内直子も参加したというオーディションの話に。大久保は「その場で発表された課題のダンスを10分くらいで覚えて、踊るという項目が大変でした」と振り返り、七木は「木野まこと役の高橋ユウちゃんが隣だったんですが、シーンとしている時に彼女のお腹が鳴って彼女が一人で笑っていたのが印象に残っています」というエピソードも。坂田は「小さい頃から『セーラームーン』が好きで、ヴィーナスを演じたいと思っていました。合格の時はお母さんと一緒にいて、飛び跳ねてしまいました」と喜びをあらわにしていた。
新たに現代風にリニューアルされたセーラー戦士の衣装について大久保は「『セーラームーン』の衣装を着れるということを幸せに思います」と興奮気味に語り、稲垣は「ワクワクしています。ウィッグも初めてつけたので、早く舞台で演じたい」と本番が待ちきれない様子。姉と一緒に衣装を作ってコスプレをしていたという坂田は「今年、さらにスタイリッシュでカッコよくなった衣装を着ることができてうれしいです」とそれぞれにリニューアルされた衣装への想いを語った。
そして、トークショー中に突然ブザーが鳴り響き、ニコファーレの画面に「EMERGENCY」の文字が。スクリーンには、同時間帯に神奈川県・日産スタジアムにてライブ中の、アイドルグループ・ももいろクローバーZが映し出され、二元生中継がスタート。登壇していたミュージカルキャストとスクリーンを介して共演し、「ムーンライト伝説」を披露するというファンにはうれしいサプライズもあった。
さらに、当初の発表では2013年夏より放送開始と言われていた新作アニメだが、ももクロの百田夏菜子の口から、放送開始時期が今冬になることが発表された。放送局は、ニコニコ動画による世界同時配信になるという(配信地域やアカウントについての詳細は未発表)。加えて、ミュージカルに続いてアニメのオープニングテーマ、エンディングテーマもももクロが担当することも明らかに。
終盤には1994年~99年までのミュージカルで脚本・演出をを担当し、今回のミュージカルでも脚本・演出を担当する平光琢也氏が登場し「アニメミュージカルと呼ばれるものではなく、脚本なり音楽なり、大人のミュージカルファンが観ても納得できるちゃんとしたミュージカルを作ろうして来ました」と意気込みを語り、「今回も大人向けで、骨太な脚本で、原作に忠実な作品としてつくり上げることが僕にできることだと思っています。当時からビジュアル技術が大きく進化しているので、より良いものになっていることでしょう」単なるファン向けのコンテンツではなく、作品としてより高いクオリティを目指していることを明かした。
最後に主人公のセーラームーン役の大久保が決め台詞の「月に代わって、お仕置きよ!」とポーズを決め、大盛況の豪華な製作発表会は幕となった。
■「美少女戦士セーラームーン La Reconquista」公演情報
公演期間:9月13日(金)~23日(月)
劇場名:AiiA Theater Tokyo(アイア シアタートーキョー)
原作:武内直子(講談社刊)
脚本:演出:平光琢也
音楽:佐橋俊彦
出演:大久保聡美 松浦雅 七木奏音 高橋ユウ 坂田しおり/彩夏涼 小松美咲 コロ ルウト/初風緑 新谷真弓/ジェイミー夏樹 大和悠河ほか
主催:ネルケプランニング ドワンゴ 講談社
(C)Naoko Takeuchi
(C)武内直子・PNP/講談社・ネルケプランニング・ドワンゴ