国土交通省はこのほど、2012年の全国1級河川(直轄管理区間)の水質状況を発表した。
同省は、1958年から1級河川の水質調査を実施している。今回の調査では、全国163の1級河川について、河川の汚染状態を示す指標となる生物化学的酸素要求量(BOD)を基に評価した。
その結果、平均水質が最も良好だった河川は、北海道の尻別川、同じく北海道の後志利別川、福島県の荒川(阿武隈川水系)、富山県の庄川、福井県の北川、島根県の高津川、高知県の仁淀川、徳島県の吉野川、熊本県の川辺川の9河川となり、2011年の12河川から3河川減少した。平均水質は0.5ミリグラム/リットルだった。
水質改善状況を見ると、過去10年間にBOD値が大幅に改善されている地点は、亀の子橋(関東・鶴見川水系鶴見川)、駄六川流末(近畿・淀川水系駄六川)、大綱橋(関東・鶴見川水系鶴見川)、遠里小野橋(近畿・大和川水系大和川)、郡界橋(近畿・大和川水系佐保川)の順となった。
また、ごみの量や水のにおいなど、人と河川のふれあいに関する新たな指標を用いた調査では、全国301の調査地点のうち76地点(約25%)が「泳ぎたいと思うきれいな川」と評価された。主な河川は、北海道の間寒別川、関東の渡良瀬川、中部の木曽川などとなっている。