人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンは7月31日、難問を使った採用面接についての見解と、面接に挑む人が準備すべきものを提案した「面接テクニック」を発表した。
難問を使った採用面接は「面接担当者の優越感を助長するだけ」
現在、採用面接では「候補者の能力を測る採用面接」が主流になっており、日本企業も同様の面接スタイルに戻ってきているという。
例えば、採用面接で難問を出すことで有名だった「グーグル」の人事部門シニア・バイス・プレジデントも「難問では良い結果が得られなかったため今後は面接に使わない」とコメント。同社では、「難問を使った採用面接では候補者の本当の能力や考えを知ることはできず、採用面接担当者の優越感を助長するだけだ」としている。
また、同社のリージョナル・ディレクター ジョナサン・サンプソン氏は「企業はもっと候補者の能力や対応能力を知る面接テクニックを利用すべき」とコメント。そのテクニックのひとつとして、ある特定の状況を示し「このような状況で、あなたはどのように対処しますか」と聞く質問方法をあげた。
このように、過去の対応・行動事例を知ることで、候補者が将来同様の状況に置かれた際、どのような行動をとるかを予測することができ、チームワーク、創造性、革新性、決断力、業務の理解度、問題解決能力などを見極める材料になるという。
対応能力を測る質問には「成功実例」を上げて説明する
同社では面接に臨む候補者のため、「対応能力を測る質問」に対するテクニックを提案している。まずは、自身の技能や能力を使い成功した過去の実例を示すため「過去の成功例をいくつか用意しておく」。
また、応募している職責で成功するための能力が自身にあるか判断するために「仕事に関する情報をできるだけ多く集める」、能力を持っていることを立証するため「過去、どのように会社に貢献したのか、また、自身が対応してうまくいった事例の状況・結果などを具体的に答えられるようにする」ことが必要となる。
このような準備があれば、「成果が出せず困っていた同僚とどのようなサポートが必要か話し合い、自身がどのように成果を改善したかを同僚に伝えた。その結果、同僚は35%成果を改善した」のように、「STAR テクニック(Situation:状況、Task:タスク、Action:行動、Result:結果)」を利用して質問に答えることができるという。
なお、実例を挙げて成功事例を説明することが有効だが、もしも成功例がない場合は、「その状況から何を学んだのか」、「次回同様な状況で、どのように対処しようと考えているのか」を説明すればいいとのこと。