東京ビッグサイトにて7月27~28日の2日間、ドレスアップ&チューニングカーの祭典「東京オートスタイル2013」が開催された。今年で2回目の開催となるカスタマイズカーのイベントで、会期中に5万7,256人が来場したという。

「ドレスアップ&チューニングCAR 真夏の祭典!」と銘打たれた「東京オートスタイル2013」

出展したのは、チューニングショップやアフターパーツメーカーを中心とした約35社。自社の新製品などによりドレスアップ&チューニングしたデモカーで、カーマニアたちにアピールしていた。会場に展示されたのは国産スポーツカーをはじめ、SUVやミニバン、輸入車など幅広いカテゴリーの車両。クルマの横ではキャンギャルも華を添えていた。

愛知県から実力派チューニングショップが"遠征"

今年が開催2回目とフレッシュな印象の「東京オートスタイル」だが、じつはこのイベントの母体は、東海・中部エリア最大級のカスタマイズカーショー「NAGOYAオートトレンド」。こちらは今年で開催11年目を迎え、恒例のモーターショーとして定着している。

東海・中部エリアといえば、トヨタ本社やホンダの生産拠点があり、その関連会社も集まっていて、自動車産業と縁が深い地域。ゆえにクルマのイベントに対する人々の関心も高い。このような背景もあり、「東京オートスタイル2013」は都内での開催ながら、東海・中部エリアからの遠征組が目立っていた。

今回はそんな"東海勢"たちをピックアップして紹介していこう。

「ガレージ八幡」の「Street Special 35GT-R」。ヘッドライト下の穴はオイルクーラーへ、リップスポイラーの穴はブレーキへエアを導入

「ガレージ八幡」の「Street Special FT86」。オリジナルワイドボディキットで左右各70mm拡幅され、圧倒的な存在感を放つ

まずは愛知県のチューニングショップ3社。中部地区最大級のチューニングショップである「ガレージ八幡」(愛知県半田市)からは、850PS仕様の日産「GT-R(R35)」が展示された。ストリートから鈴鹿サーキット・富士スピードウェイといったハイスピードコースまでをターゲットとしたマシン。パワーアップにともなう熱対策でエアの導入を考えた結果、フロントバンパーは穴だらけになってしまったそうだ。

「ガレージ八幡」はもう1台、ワイドボディ化したトヨタ「86」も展示。「東京オートサロン」での初披露の後、タイでのイベントのために海を渡るなど出展が続き、開発の時間があまり取れていないそうだが、アクセル踏みっぱなしでシフトチェンジできるなどの制御が加えられ、気持ちよくサーキットを走れるようになっている。

ディフェンドレーシングサービスの「DEFEND BNR34」。カナードの超攻撃的フォルムに代表されるルックスを見れば、外国人に人気だったのも納得

「ディフェンドレーシングサービス」(愛知県清須市)が展示したのは、600PSオーバーの日産「スカイラインGT-R」(BNR34)。

通常、展示車両の運搬にはキャリアカーが使われるが、「高速コースで時速300km出しても壊れないし、街乗りでも快適」というマシンのコンセプトの通り、自走で東京へやってきたという。道中、観光バスに乗った外国人から写真を撮られまくったとか。

「EMCエンジニアリング」の「EMC / TOYOTA86夢号」。オリジナルのチタン製インテークチャンバーや、オイルキャッチタンクが目を引く

「EMCエンジニアリング」(愛知県刈谷市)はトヨタ「86」を展示。エンジンはノーマルのまま、吸排気系や足まわりのチューンでサーキットを楽しめるように仕立てた、ユーザーにも身近な仕様だ。まだまだ開発中で、パワーも50PSアップをめざすとのこと。

静岡の名門企業やオーナーズクラブも集結

「東京オートスタイル2013」で出展していたのはクルマのショップだけではない。続いて紹介するのは、「オーナーズクラブ」と呼ばれる同一車種の所有者や愛好者の集いだ。

「Z PROJECT 静岡」からは、Z31からZ34まで11台が参加。女性オーナーも多く、和気あいあいとした雰囲気

静岡からは、日産「フェアレディZ」のオーナーズクラブ「Z PROJECT 静岡」が参加。Zの生みの親・片山豊氏が静岡出身ということもあり、静岡とZは縁が深いのだ。アメリカのZオーナーズクラブが選ぶ「ベスト・オブ・フェアレディZ」に輝いたこともある、同クラブ代表・津島氏のZ32をはじめ、メンバーの愛車11台を並べた。

「weisse」が展示したうちの1台は、今春亡くなったメンバーの車両とのこと。クルマ仲間ならではの追悼である

東海地区を拠点とする、ホンダ「NSX」のオーナーズクラブ「weisse」(ヴァイス)も参加していた。24歳から還暦過ぎまでのメンバーが在籍する同クラブから、今回はシニア世代が所有する2台のNA1を展示。ちなみに、3月に開催された「NAGOYAオートトレンド」では、20台ものマシンを並べたそうだ。

ラジコンサーキットの隣には物販ブースも設置された。タミヤのプラモデルやTシャツは実車好きからも大人気

ところで、今回のイベントで最も大きな展示スペースを使っていたのが、静岡を代表する企業・タミヤだった。会場にはラジコンカー用のサーキットが設置され、レースイベント「タミヤGP全日本選手権 東京大会」が開催されたのだ。ワールドチャンピオン決定戦の代表権を賭けた激戦から、小・中学生によるビギナーレースまで、多種多様なクラスのレースが開催され、来場者たちも足を止めて観戦していた。

東海勢の活躍が目立った「東京オートスタイル2013」。今後も東海地区のみならず、全国の各エリアで育まれるオリジナルのスタイルを発信していくことを期待したい。