JR西日本は2日、山口県北部・島根県西部の豪雨による被災状況と今後の運行計画について発表した。現在、運転を見合わせている区間のうち、山陰本線奈古~長門市間は4日から、山口線宮野~地福間は5日から列車での運行を再開する。

山口線「SLやまぐち号」は年内の運転を取りやめた(写真はイメージ)

7月28日未明からの集中豪雨により、山陰本線と山口線の一部区間において、線路などの設備に大きな被害が発生した。現在は山陰本線益田~長門市間と山口線宮野~益田間で運転見合わせとなっている。

同社が発表した被災状況(8月1日16時時点)によれば、山口線では地福~徳佐間の第4阿武川橋りょう・第5阿武川橋りょう・第6阿武川橋りょうが流失したほか、船平山~津和野間の白井トンネルが土石流の被害を受けた。その他、土砂流入14件、築堤崩壊12件など、山口線では計60件の被災事象が発生している。山陰本線も須佐~宇田郷間の須佐トンネルと大刈トンネルが土石流の被害に遭うなど、計42件の被災事象が発生したという。

今後の運行計画に関して、山陰本線奈古~長門市間(現在はバスなどによる代行輸送を実施)は、8月4日の始発から列車による運転を再開。同日から宇田郷~奈古間で鉄道代行タクシーによる代行輸送が始まり、1日9往復運転される。翌5日から、山陰本線益田~須佐間で鉄道代行バスによる代行輸送(1日8往復)が開始され、残る須佐~宇田郷間も国道191号線の復旧後、代行輸送を行う予定としている。

山口線では、8月5日の始発から宮野~地福間で列車による運転を再開する。同日から地福~益田間でバスによる代行輸送が始まり、地福~津和野間で下り9本・上り8本、津和野~益田間で下り・上り8本ずつ運転される。なお、鉄道代行バス・タクシーによる代行輸送の期間は、いずれも運転開始日から「当分の間」(JR西日本)とされている。