スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですからスペック表を見ると、専門用語のオンパレード……おいそれと比較はできません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「HDMI/MHL」についてです。
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薄型テレビとビデオレコーダーをつなぐケーブルといえば、誰もが「HDMI」を思い浮かべることでしょう。HDMIは、おもにAV機器を対象としたデジタル映像/音声の入出力インターフェイスで、理論上劣化することなく信号を転送できます。あわせて制御信号も送ることができるため、1つのリモコンで複数の機器を操作することも可能です。
HDMIの端子/ポートにはいくつかの形状があり、テレビやビデオレコーダーに用意されている接続ポートは通常の大きさの「タイプA」です。一方、ビデオカメラなど持ち運びが必要な機器には小型の「タイプC(HDMIミニ)」が採用されることがあり、タイプCポートを採用した携帯電話も存在します。近年では、スマートフォンのように小ささ/薄さを追求するデバイスに適した「タイプD(HDMIマイクロ)」を採用する機種が増加中です。
最近急速に普及しているのが「MHL」です。MHLは米Silicon Image社が開発したモバイル機器向け高速映像伝送用インターフェースで、2010年にはソニーと東芝、ノキア、サムスンをくわえた5社により普及を目的とした「MHLコンソーシアム」を設立、Android端末を中心に採用事例が増えています。最新規格のバージョン2.0では最大2.25Gビット/秒に高速化され、1080p/30fpsの映像と192kHz/7.1チャンネルの音声を転送することが可能です。
MHLの規格はUSBおよびHDMIを意識して策定されたため、それらの機器と接続しやすいという特徴があります。たとえば、MHLに対応するAndroid端末の多くが、充電やデータ転送に利用する「MicroUSBコネクタ」経由でデータを転送できます。そのままテレビのHDMIポートにつなぐことはできませんが、数千円程度で販売されているMHL-HDMI変換アダプタを用意すれば、Android端末のムービーや写真をHDMI端子を備えたテレビに映し出すことも可能です。