ジェリー・ブラッカイマー製作、ゴア・ヴァービンスキー監督、ジョニー・デップ出演という、メガヒットシリーズ『パイレーツ・オブ・カリビアン』の黄金トリオによる超大作『ローン・レンジャー』が、8月2日から公開される。本作で、タイトル・ロールを務めたアーミー・ハマーは、甘いマスクに196cmという長身のイケメンスター。本作で彼が演じるのは、デップ扮する復讐に燃える戦士トントとぶつかり合いながらも、共に巨悪に立ち向かっていく、正義のヒーローだ。『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)や『J・エドガー』(2011年)、『白雪姫と鏡の女王』(2012年)など、次々と話題作に出演し、日本でもブレイク必至のA・ハマーに話を聞いた。
アーミー・ハマー |
――まずは、映画『ローン・レンジャー』の日本公開が迫った、今の感想から聞かせてください。
とにかく興奮しているよ。本作は、自分たちがめいっぱい楽しんで作った映画だ。灼熱の砂漠での撮影をはじめ、列車の上を滑走したり、馬に乗ったり、引きずられたりと、いろんなことにトライしたけど、自分にとっては全てが楽しい体験だった。関わった全員が、心血注いで作った映画だから、今はとても達成感を感じているよ。
――列車同士のチェイスシーンの撮影のために、19世紀のアメリカの機関車を3台も作り、長い線路まで敷いたと聞いて驚きました。
現場へ行って、僕もまず、全てのスケール感にぶっ飛んだね。レールが敷かれた巨大なセットは、直径が16kmくらいあったから、全体を見回すこと自体が不可能だった。砂漠の中には蜃気楼が立っていて、すごく臨場感があり、何とも言えない雰囲気だったよ。今回、グリーンスクリーンとかを使わず、機関車が必要だったら作ろう、街が必要なら街も作ってしまおうと、どんどん作っていったんだ。その分、迫力やリアル感は絶対CGには負けないし、それも本作の魅力になっている。
――特に、クライマックスの列車でのアクションシーンが素晴らしかったです。
実はあのシーン、編集で全く継ぎ目がわからないようにしてあるけど、カリフォルニア、コロラド、アリゾナ、ユタ、ニューメキシコ州と、5州にまたがって撮影をしたんだ。だから、実は10数分のシーンが続けば、その内の2秒だけが別の州だったりする。それくらい大掛かりな撮影だったよ。
――いちばん苦労したアクションシーンを教えてください。
レッドの小屋から手すり越しに降りてきて、走ってくる馬に飛び乗るというアクションだ。あのアクションは合計27テイクくらい撮ったよ。とても複雑なシーンで、ちょうど良いスピードで馬が走ってきて、自分がそこに飛び乗るというものだった。所定の位置に馬がいないといけないし、しかも上手く飛び乗ったら、そのままの姿勢で走り出すってことで、全てが完璧なタイミングでパシッと決まらないとOKが出なかったんだ。散々失敗して、肘や内ももが腫れて、大変な思いをしたよ。
――穴に埋められ、顔中にサソリが這っているのを、馬になめられるという爆笑シーンもありました。あれはどうやって撮ったのですか?
あのシーンは、本当にそのまま撮ったんだ。よく、どうやって撮ったの?と聞かれるんだけど、あの通りで、まるまる2日間かけて撮ったよ。体は砂に埋められ、鼻やおでこがかゆくてもかけないし、おまけにとても暑くてね。まるで地獄のような二日間だったね(苦笑)。
――撮影の合間の楽しかった思い出について教えてください。
ドライバーとして現場に参加していたスタッフとデュオを組み、チャーリー・ダニエルズ・バンドの名曲「コンボイ」を完璧なハーモニーで熱唱したよ。彼は、ルイジアナの南部出身で、とても面白い男だった。まあ、周りから失笑されたけどね(笑)。
――本作は、俳優としてのキャリアにおいて、どういう位置づけの作品になりそうですか?
いろんな意味で本作を超える作品なんて、もう今後ないだろうから、自分のキャリアはもう下り坂だと思っている(苦笑)。だって、ジェリー・ブラッカイマーやゴア・ヴァービンスキー監督、共演のジョニー・デップと、これほどの才能が結集した大作に、僕がこの先、出演できることなんてありえないかなぁと。本作での体験は、自分にとってかけがえのないもので、とても勉強になったし、何よりもすごくラッキーなことだったと思う。
少年時代の忌まわしい事件のせいで、復讐に燃える悪霊ハンターのトント。彼は自らの悲願のために、聖なる力によって瀕死の男ジョンを甦らせる。ジョンは法に基づく正義の執行を求め、復讐のために手段を選ばないトントと対立。だが、愛する者を奪われた時、彼は不思議な力を持つ白馬シルバーを従え、マスクをつけた謎のヒーロー"ローン・レンジャー"として、トントと共に巨悪に立ち向かう |
――ジョニー・デップと共演してみて、いかがでしたか?
これから僕が俳優を続けていく上で、ジョニー・デップはすごく良いお手本となるひとりだ。実際に、撮影では彼からとても刺激を受けた。でも、この映画に出たことで、アクションがいかに大変かってことも身を持って感じたので、今後はアクション大作と言われる作品の脚本は、しっかり検討して出演しようとは思っている(笑)。
――最後に、プライベートでは、4才年上の奥様(モデルのエリザベス・チャンバース)一筋の愛妻家とお聞きしています。夫婦円満の秘訣を教えてください。
ハハハ。とにかく間違った相手を選ばないことだよ!
――ごちそうさまでした。きっと内助の功も素晴らしいことでしょう。
映画『ローン・レンジャー』は、8月2日より全国公開。
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