近年よく見かけるようになった、電車内でメイクをする女性。中には1ミリでもずれたら大変なことになるアイラインを見事完全に引ききる女性や、つけまつ毛をして電車を降りる頃には別人の顔になっている女性もいます。ですが、電車内で平然とメイクをする女性を見ていて、いい気持ちがしない人もいるのではないでしょうか。
嫌悪感は女性の"恥じらい"の欠如によるもの
なぜ、電車内でメイクをする女性に少なからず嫌悪感を抱いてしまうのか。それは、不特定多数の前で平気でメイクを直す女性には、恥じらいが微塵も感じられないからです。
当の本人は、「知り合いが見ていないからいいか」という、軽い気持ちでしていると思います。それが恥じらいの欠如の原因。みなさんは、彼氏、もしくは会社関係の人と一緒にいる女性が、電車内でがっつりメイクをする姿を見かけたことがありますか? おそらくそのパターンは少ないはず。なぜなら彼女たちは、「これから参加するデートなどのイベント、または仕事」のために、電車内でメイクをしているからです。
つまり、見られたくない人の前では恥ずかしいからしないにも関わらず、無関係の人の前では恥じらいを捨ててする、ということ。恥じらいを捨てられるということは、いつか好きな相手の前でも捨ててしまう可能性を示唆しているとも言えます。しかもそこには、恥じらいを捨てた姿を断りもなしに見せつけられる人を、思いやる心遣いすら欠けているのです。
「見たくないなら見なければいい」と思う女性もいることでしょう。メイクをすることは、身だしなみを整えることの一環ですよね。これを男性に置き換えてみましょう。電車内で堂々とヒゲを剃って身だしなみを整える男性を発見したら、完全にスルーできるでしょうか。一瞬だけでも見てしまうのでは? メイクをする女性は、電車内でヒゲを剃る男性と同じ。悪い意味で人目を引いてしまうのです。
化粧は隠れて行うこと
さらに、メイクは日本語で化粧と呼びますが、「粧」という言葉に送りがなをふると「めかす」と読みます。めかすとは、身なりを飾り立てておしゃれをする、という意味。ですから化粧はその言葉の通り、「化けてめかしこむ」こと。化けてめかしこむ瞬間を、同性である女性が見ていて心地いいはずがありません。いつもは隠れて行うことを、わざわざ赤の他人に暴露されているような感覚に陥るからです。
ちなみに、知人が寝坊して電車内でメイクをしていたところ、外国人女性から「NO!」ときつい口調でたしなめられたそうです。公共交通機関でメイクをするのは、海外の人からも不評のよう。注意されて恥ずかしい思いをするのは自分ですから、思い当たる人はひかえたほうがいいかもしれませんね。
著者プロフィール
内埜さくら(うちの さくら)
恋愛コラムニスト。1200人以上の人物取材の経験で磨かれた鋭い洞察力が武器。事務、販売、接客など数多くの職業を経験後、2004年にフリーライターとして活動開始。多種多様な依頼をこなすうちに人物取材を得意とするようになり、男性誌で約3年以上、恋愛やセックス特集を担当。ライター活動中に取得した心理カウンセラーになるために学ぶ必須項目の心理学と取材データを元に、処女作の「恋がガンガンうまくいく魔法のフレーズ80」(講談社)を上梓。心理カウンセラーとしても活動中。「恋愛コラムニスト内埜さくらのブログ」も更新中。