ここ最近、「すぐに引退するとは言わないけど、そう遠くない将来にそうするさ」と発言するなど、作品以外のところでも動向が注目されているジョニー・デップ。そんなJ・デップの最新作『ローン・レンジャー』が8月2日に公開される。『シザーハンズ』(1990年)や『チャーリーとチョコレート工場』(2005年)、『ダーク・シャドウ』(2012年)などで、顔面を白塗りにした奇抜なキャラクターを演じてきた彼が同作でも、頭に鳥をのせ、顔面を白塗りし、トント役を熱演している。J・デップのためにあるといってもいいほど、"ハマり役トント"を演じた感想を聞いた。
――子供のころテレビ版「ローン・レンジャー」は見ていましたか?
うん、見ていた。「ローン・レンジャー」を見ていた自分を覚えているよ。少年がテレビで見る典型的な番組の一つだったからね。あの番組を見ながら、僕はいつもトントに感情移入していたんだ。子供心に、どうしてこの先住民は助手なんだろうと思っていたよ。別にローン・レンジャーのトントの扱いが酷すぎたということではないけど、それでも「どうしてトントがアレコレとやらされなければいけないんだ? どうしてトントがヒーローではないんだ?」と思っていた。それはずっと僕の頭の中にあった疑問さ。それに、僕は小さなころから、うちの家系には先住民の血が混じっていると聞かされていた。どの程度かは知らない、実のところ、ほんの少しだけかもしれないし、よく分からないけれどね。
――あなたがトントを演じたことで、作品にしっかりとした調和が生まれたのでは?
そうあって欲しいね。まだ完成した映画を見ていないけど、自分が何をしたのか分かっているし、ゴア(ゴア・ヴァービンスキー監督)のこともよく知っている。ジャスティン・ヘイス(共同脚本)と開いたストーリー・ミーティングの初日から、「先住民を公正に扱えているだろうか? 正しく作っているだろうか? この作品で間違いをおかさないようにしよう」ということを主題にしていたからね。僕にとって、これは彼らのことを後押しできるような作品だったんだ。
――劇中に登場する"トント"は、テレビ番組で見慣れていたこれまでの"トント"とは大きく異なるものでしたが、トントを現代の観客にふさわしいものとして描いたことについて教えて下さい。
映画というものがどれほど長い歴史のあるものだとしても、ハリウッドが過去に描いてきた先住民は、僕に言わせれば、とてもお粗末なものばかりだった。僕には、このキャラクターをローン・レンジャーの助手ではない形で演じたいという想いがあった。彼を戦士として、高潔な誠意と威厳を持った男として演じたいと思っていたんだ。過去におかされていた過ちを正すことに貢献したいというのが、僕のささやかな想いだったんだ。
――コマンチ族から部族の一員として認可されたことは、あなたにとってどのような意味を持っていますか?
僕があれを授かったことはものすごい栄誉さ。信じられないね。自分にそんな名誉なことが起こるなんて夢にも思っていなかったし、彼らはずっと本当に良くしてくれていた。しかも僕は新たなファミリーを持つことができたんだからね。ラドンナ(ハリス)というこの女性は、コマンチ風に言うと僕のピアー(仲間)なんだ。彼女は僕のピアーであり、母であり、彼女は僕を「息子」と呼ぶ。彼らは本心で歓迎するときしか歓迎したりしない、その事実を僕は最高の栄誉だと感じているんだ。
――先ほど出たあなたの祖先のお話とどこか心的に共通するところがありますね。
うん、あるね。そこが素晴らしいね。彼らが僕を選んでくれたということを今でも信じられないんだ。撮影隊はナバホ族とコマンチ族からの祝福を受け、僕らはあの寛大で素晴らしい人々から最高の扱いを受け、最後にはあの素晴らしい関係を築くことができたんだからね。ラドンナが僕を彼女の家族としてコマンチ族に迎えることを望んでくれたということは、おそらく僕の人生において最も素晴らしい栄誉になるだろうね。
少年時代の忌まわしい事件のせいで、復讐に燃える悪霊ハンターのトント。彼は自らの悲願のために、聖なる力によって瀕死の男ジョンを甦らせる。ジョンは法に基づく正義の執行を求め、復讐のために手段を選ばないトントと対立。だが、愛する者を奪われた時、彼は不思議な力を持つ白馬シルバーを従え、マスクをつけた謎のヒーロー"ローン・レンジャー"として、トントと共に巨悪に立ち向かう |
映画『ローン・レンジャー』は、8月2日より全国公開。
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