米Micron Technologyと更生会社エルピーダメモリは31日、2012年7月2日に合意したスポンサー契約に基づきく、Micronによるエルピーダの全株式の取得が完了したと発表した。これにより、エルピーダはMicronの完全子会社となる見込みだ。エルピーダ代表取締役社長兼CEO、管財人の坂本幸雄氏は本日で退任し、後任にエルピーダ事業家管財人兼代表取締役社長およびマイクロンジャパン社長として木下嘉隆氏が就任することも発表した。
Micronでは、エルピーダ買収で、研究開発や生産能力が強化され、コスト・生産の相乗メリットが得られることにより、さらに幅広いメモリ製品のポートフォリオを顧客に提供できるようになるとしている。本件によって、Micronが取得するエルピーダの保有資産には、300mmウェハ対応の広島工場、台湾に300mmウェハ対応工場を持つRexchipの株式約65%、後工程関連の事業を中心とする秋田エルピーダメモリの株式100%が含まれる。
RexchipについてMicronは、本件にあわせて台湾Powerchipが保有するRexchipの株式24%を取得したことも発表。Powerchipからの取得株式に、本件で取得する株式をあわせると、Rexchipの発行済み株式の約89%をMicronがにぎることになる。エルピーダとRexchipを併せた生産能力は月産18万5,000枚以上で、これはDRAM/NAND/NORを併せたMicronの生産能力を約45%増強させることになるという。
坂本氏の後任となる木下氏は、日立製作所やエルピーダなどでDRAM開発などに携わってきた人物。米MicronのCEOであるMark Durcan氏は「エルピーダでの強いリーダーシップと、今回の円滑な統合に尽力した坂本氏に感謝したい。今後は木下氏とともに我々のチームを強くしていく」とコメントしている。