ビー・エム・ダブリューはこのほど、同社初の電気自動車「BMW i3」を、ニューヨーク、ロンドン、北京の3都市で同時に発表した。「BMW i3」は航続距離130~160kmを達成し、2気筒ガソリンエンジンにより駆動されるレンジ・エクステンダーを設置することで、最大300kmまで延長できるという。

「BMW i3」

「BMW i3」は、BMWグループ初の完全に電動化された量産モデル。カーボンファイバー製パッセンジャーセルやアルミニウム製シャシーなど、数多くの革新的技術を採用しており、軽量化の分野で新な基準を確立した。車両重量はわずか1,195kgで、大容量のバッテリーを搭載しながら、多くの既存のコンパクトカーより軽量になっている。その上、4人乗車に必要な十分に広いスペースを確保している。

パワートレーンは170PSの出力を発生し、最大トルクは250Nmに達する。0-60km/h加速はわずか3.7秒。最高速度は効率上の理由から時速150kmに制限されている。ランニングコストはきわめて低く、320d(ドイツ仕様)との3年間のメンテナンスコストとランニングコストの比較では、「BMW i3」が40%ほど有利。この差は国により支給される補助金などによって、さらに広がる可能性がある。

サステイナビリティ(持続可能性)については生産工程を含めて取り組まれており、「BMW i3」の製造を行うライプツィヒ工場では、必要な電力をすべて風力発電でまかなっている。生産に必要なエネルギー量も、すでに高い効率を実現しているBMWの従来の製造プロセスと比べて約50%削減されている。水使用量にいたっては70%減を達成している。

「BMW i3」、もしくは「BMW i」というブランドそのものに対する世界の関心はきわめて高く、Facebook上で120万人余りのファンを持ち、9万人以上がすでに「BMW i3」の試乗を希望しているという。「BMW i3」については、11月中にドイツなどの欧州市場で販売開始され、米国、中国、日本などでの販売開始は2014年上半期の予定。基準価格はドイツで3万4,950ユーロ(約450万円)に設定される。オプションのレンジ・エクステンダーを選択した場合は3万9,450ユーロ(約510万円)となる。