ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)はこのほど、20代~60代の男女を対象に実施した「現金の清潔度に関する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2013年5月31日~6月2日、有効回答数は300人。
同調査では、日常生活で触れる機会が多い「現金」「電車の手すり・つり革」「エレベーターのボタン」「階段・エスカレーターの手すり」「マンションやオフィスの共用部分のドアノブ」「銀行のATMや発売機などのタッチパネル」の6種類について、人々の清潔感を調べた。
その結果、汚いと思う割合(「とても汚い」「やや汚い」「どちらかと言えば汚い」の合計)が最も多かったのは「電車の手すり・つり革」で85.4%。以下、「階段などの手すり」が83.0%、「建物の共用部分のドアノブ」が81.0%、「現金」が80.3%と続いた。
一方、身のまわりの物を利用した後に手を洗いたいと思う割合(「非常に洗いたい」「どちらかと言えば洗いたい」の合計)を調べたところ、「電車の手すり・つり革」が63.3%でトップ。次いで、「階段などの手すり」が59.0%、「現金」が52.6%となり、現金を汚いと思う人に対して、手を洗いたいと考えている人は27.7ポイント少なくなった。
さらに、現金が汚いと思う人に対して、その理由を尋ねてみると、圧倒的に多い78.4%が「どれほどの人数が触ったかわからないから」と回答。以下、「使用/利用された時間が長いから」が33.2%、「洗っていない/清掃されていないから」が29.5%、「菌が付着していそうだから」が21.6%と続いた。
なお、衛生微生物研究センターが2013年6月に発表した現金の清潔度調査によると、市中に出回っている紙幣や硬貨には汚染細菌が付着している場合があるという。
同調査では、調査員が東京23区内に所在する店舗10カ所で買い物し、紙幣と硬貨を釣り銭として収集。その上で、日常的な買い物によく使用されると思われる千円札、百円玉、十円玉を選び、さらに汚染細菌が付着しやすい形状の五十円玉を加え、計4種類を10枚ずつ検体として使用した。
その結果、全ての千円札に多くの汚染細菌が付着していることを確認したという。紙幣1枚当たりの付着量は、最少で62個、最大で440個。硬貨については、五十円玉と百円玉に一定量の汚染細菌が付着していたものの、付着量は、五十円玉が平均13個、百円玉が同6個と、千円札を大幅に下回った。
さらに、見つかった汚染細菌の種類について調査を進めたところ、千円札2枚から、厚生労働省が主な食中毒病因物質として指定しているセレウス菌(Bacillus cereus)が検出されたという。