特撮TVドラマ『仮面ライダー』シリーズ最新作『仮面ライダー鎧武/ガイム』の制作発表会見が25日、都内で行われ、主人公・葛葉紘汰/仮面ライダー鎧武を演じる俳優の佐野岳をはじめとした主要キャス卜が登場した。
平成ライダーシリーズとしては15作目となる『鎧武/ガイム』のモチーフは「フルーツ」と「鎧」。戦国武将の鎧武者のようなスタイルで、ベルト=戦極(せんごく)ドライバーを装着、そしてフルーツをモチーフとした錠前「ロックシード」をセットすることで変身、さらにはアームズチェンジする。アームズチェンジには「オレンジロックシード」を使用して変身する「オレンジアームズ」や他にも「パインアームズ」などがあり、使用武器もそれぞれのフルーツの特徴を活かしたものになるという。
本作の舞台は、巨大企業の"城下町"として経済的に発展した新興都市。"城下町"ゆえの一種の閉塞感にストリートダンスで発散している若者たちの間では、「ロックシード」で小動物「インベス」を召喚し、戦わせるというゲームが秘密裏に流行している。インベスは、ゲーム時に開く異世界の扉から現れるが、その「異世界」への扉が各地で開きはじめ、人類を脅かす危機を招いてしまう。ダンスチーム「鎧武」に所属する主人公・葛葉紘汰は、偶然にもベルト(戦極ドライバー)を拾って仮面ライダーへ変身し、「ライダー戦国時代」に巻き込まれていく。
会見の冒頭には、佐野が演じる葛葉紘汰がダンスチーム「チーム鎧武」を、小林豊が演じる駆紋戒斗が「チームバロン」を率いて、それぞれにダンスパフォーマンスを披露。その後の会見で「バク宙をしながら変身したいと密かに考えています。体を動かすことは得意」と話していた佐野が早速バク宙を披露し、その身体能力の高さを見せつけていた。さらに佐野と小林、呉島光実を演じる高杉真宙が変身ポーズをキメて、仮面ライダー鎧武、仮面ライダーバロン、仮面ライダー龍玄がお披露目。鎧武のアームズチェンジは「オレンジアームズ」と「パインアームズ」、西洋鎧がモチーフのバロンは「バナナアームズ」、中華鎧がモチーフの龍玄は「ブトウアームズ」となる。
プロデューサーを務めるテレビ朝日の佐々木基氏によれば、注目の変身シーンは「オレンジが頭の上から落ちてきて、パカッと開いて"花道オンステージ!"と鎧を纏う」という歴代ライダーでも度肝を抜く変身になるという。そして、東映の武部直美氏からは、キャッチコピーは「この力、君はどう使う」、必殺技はフルーツがモチーフということで「輪切り」、テーマは「いろいろな価値観が細分化している中で今回の企画は多人数ライダー。それぞれの戦う理由、それが変化し広がっていく正義」とさまざまなコンセプトが明かされた。
物語の展開は、最初は争っているチーム同士が協力して巨大な敵に立ち向かい、戦う理由やメンバーの変化が見どころとなり、それを戦国時代の天下統一になぞらえている。キャスティングは、相対評価ではなく絶対評価を意識し、従来のようなオーディションを行わず、面談形式で進めたという。また、脚本に『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズで知られる虚淵玄氏が起用されたことも話題となっているが、武部氏は「圧倒的なキャラ立てと非常にインパクトのある台詞、今回の多人数ライダーという企画にぴったりで、繋がる大河ドラマのようなストーリーをご期待いただければと思います」と話している。
本作のコンセプトが発表された後、佐野、小林、高杉に加えて、巨大企業ユグドラシルコーポレーションの要職に就く仮面ライダー斬月/呉島貴虎役の久保田悠来、プロのダンサーを目指すヒロイン・高司舞役の志田友美が登場。『仮面ライダークウガ』に憧れていたという佐野は「紘汰という役は正義を肌で感じて、不器用ですがどストレートで人にぶつかっていくという熱いキャラクターです」と主人公・葛葉紘汰を紹介し、「佐野岳、葛葉紘汰、そして仮面ライダー鎧武と三人四脚で歩んでいきたい。今までで一番面白く、これからも一番面白いと言われる『仮面ライダー』を届けることをお約束します」と力強く宣言していた。
「チームバロン」のリーダーであり、バナナをモチーフにした仮面ライダーバロンに変身する駆紋戒斗役の小林は、「一見クールに見えて嫌なやつに思われがちですが、葛葉紘汰と出会い、どう変化し成長していくか見守ってほしい」と役どころを語るも、本来の自分はクールのかけらもない「ハッピー!ラッキー!」な性格であることを吐露。しかし、自身とは真逆の駆紋戒斗を演じることで、日々の成長を実感しているという。チームでは弟分で紘汰に憧れる少年・呉島光実/仮面ライダー龍玄を演じる高杉は現在17歳。一番好きな作品に『仮面ライダー龍騎』を挙げ、中でも「仮面ライダーナイト」がお気に入りの高杉は、自身が幼少期に抱いていた憧れをそのまま子供たちに届け、「憧れられるようなヒーローになりたい」と語っていた。
ヒロイン・高司舞を演じる志田は「小さい頃は弟と仮面ライダーごっこをして遊んでいて、『仮面ライダー』に出演することは私の1つの夢でもありました」と喜びをあらわにし、「舞ちゃんは明るく元気で活発な女の子で、紘汰に頼っちゃいけないという責任感があります。舞ちゃんの魅力がもっともっと伝わるように、『仮面ライダー鎧武』が1人でも多くの方に見ていただけるようにがんばっていきたいと思います」と意気込みを見せた。そして、今回の主要キャストの中では最年長となる呉島貴虎/仮面ライダー残月役の久保田は、「ご覧のとおりみんなとはだいぶ雰囲気が違いますけど、マネージャーではありません……」と開口一番で爆笑を誘い、「僕はダンスは踊れませんが、とても心は踊っております。目指す天下はただ1つ、主婦の心を掴みたいと思います!」と自身の役割を明確化。「(他のキャストは)僕の半分くらいの人生。僕のほうがフルーツ歴は長いし、倍くらいフルーツを食べている。その方面を活かしつつ皆さんより強くなれたらと思いますね」と年長者らしく安定感のある笑いで会場を沸かせていた。
さらに、"鎧武乃風"として本作の主題歌を担当するロックバンド「湘南乃風」がスペシャルゲストとして登場。リーダーのRED RICEは「やるからには新しい風を吹き込みたい。『仮面ライダー鎧武』の大成功に花を添えられたらと思っています」と話していた。『仮面ライダー鎧武/ガイム』は、2013年10月6日(毎週日曜8:00~)よりテレビ朝日系で放送スタート。
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