『パシフィック・リム』でハリウッドデビューを果たした子役の芦田愛菜が、行定勲監督作『円卓』(2014年公開予定)で映画初主演を務めることが25日、明らかになった。

映画『円卓』に出演した芦田愛菜(右)と監督の行定勲

同作は、大阪を舞台に描くとある大家族の物語で、芦田愛菜演じる小学生3年生の琴子(こっこ)はその家族の中心人物で、口が悪く少し偏屈なキャラクター。「うるさい! ぼけ!」とすごみのある関西弁で常々不満を口にし、大家族の温かい眼差しに包まれながらも、孤独にも憧れている難しい役どころとなっている。8歳の少女が、家族と学校という半径数kmの"全世界"の中で考え、悩み、成長していく姿を描く。

初主演に向け、芦田は「台本を読んだら、お話も面白いし、こっこちゃんがかわいいので、撮影がはじまるのを楽しみにしていました。この夏に色んなことを経験して、少し大人になるこっこちゃんをうまく演じられればいいなぁ、と思います」と意気込みを。行定監督の第一印象は「最初はちょっと怖かったです(笑)」とあまりよくなかったようだが、「今はお芝居のことを色々教えてくださるので、監督と一緒にいられる間にお芝居のことを勉強したいです」と女優然としたコメントを寄せている。

関西弁の役柄に挑む芦田は兵庫県出身であり、方言の言い回しには問題なさそうだが、「学校ではすべて標準語なので、関西弁を忘れかけていたところもあったんです」と苦労もあった様子。「お母さんやお父さんに教えてもらったり、関西に住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんに確認しながらセリフを練習しました」と役作りエピソードを明かし、「でも、今では、撮影がない時でも関西弁なので、ずっとこっこちゃんの気持ちでいられて楽しいです(笑)」とうれしそうに語っていた。

関西弁で毒づく役柄は、芦田愛菜にとって新境地とも言える個性的なキャラクター

一方の行定監督は、こっこのキャラクターを「ある種ダークヒロイン」と捉えつつも、「芦田愛菜がいるからこの企画はやれるなと思いました」と成功を確信。「彼女も今、役と同じ小学3年生なので、いちばん恵まれた状況でやらせててもらってます」と語り、「よく"天才子役"っていうじゃないですか? すごい才能に驚きますね。こちらが思ってることを凌駕するんですよ」と芦田の演技力を絶賛している。

撮影は、7月中旬から大阪府内各所でロケを行い、8月中旬からは都内スタジオの"円卓"のある室内で撮影がスタートする予定。

(C)2014『円卓』製作委員会