ブリヂストンはこのほど、千葉・舞浜にて新作スタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX」の発表会を開催した。乗用車用スタッドレスタイヤブランド「BLIZZAK」開発25年の集大成となる新商品で、9月1日に全国一斉発売される。
「VRX」とは開発25年目で到達した最高点の意
「本来、スタッドレスの持っている本質性能は氷雪上の効き。昨今では、それを補完する乾燥路面での性能、快適性、燃費、摩耗といったものを付加する必要があると考えます」とは、アンベールに先立ち、新商品の核心に触れたブリヂストンタイヤジャパン代表取締役社長の清水実氏。
発泡ゴムを初めて採用し、商品化したウインタータイヤ、初代「ブリザック」のデビューから25年。発表会冒頭、挨拶に立った清水氏は、積み重ねた技術の集大成により、「つねに変わるお客様のニーズに当社の技術を結集しまして、最高峰のスタッドレス、このブリザックを世に送ることができました」と自信を見せた。
「ブリザードの中でもザクッと効くからブリザック!」、そう名付けたのは、当時担当を任されていた清水社長本人だったというエピソードも飛び出した。ちなみに新商品の「VRX」とは、頂点を表す「VERTEX」を意味するという。
「降雪の厳しい北海道・北東北で、装着率を調査すると約50%、2台に1台は『ブリザック』を装着していただいており、札幌市内のタクシーにおいては、ずっと装着率70%をキープしています」と、清水氏はこれまでの市場における高い評価を強調。そこからさらにユーザーの要望を吸い上げ、氷上ブレーキ性能だけでなく、燃費性能への関心も高いことをとらえ、開発に盛り込んだという。結果、転がり抵抗を10%(従来モデル比)減らし、燃費向上を達成した。
氷雪上で効くさまざまな新技術を搭載
「VRX」に採用されたいくつかの新技術については、開発責任者である川原隆宏氏が解説を行った。除水効果を向上させる「アクティブ発泡ゴム」、さまざまな冬道でグリップ力を発揮する「新非対称パタン」、車両のふらつきを軽減して高い直進安定性を確保する「新非対称サイド形状」など、従来品との挙動比較動画も用いながら性能向上を伝えていた。
また、これまで冬用タイヤではクローズアップされることのなかった、転がり抵抗削減に力を入れて取り組んだことなどもアピール。夏タイヤの「ECOPIA EX10」を比較対象とし「スタッドレスでもだいぶ近づけました」(川原氏)とのことだ。
特徴的な左右非対称のトレッドパタンにはたくさんの氷雪上で効く技術が込められているという。親水性向上により水の膜を吸収する「アクティブ発泡ゴム」も採用 |
開発本部長の川原氏によれば、氷上ブレーキ性能、ウエットブレーキ性能、転がり抵抗係数が、先代モデル「REVO GZ」と比べて各10%ずつ向上しているとのこと |
テレビCMでおなじみの「TAIYA CAFE」舞浜駅前にオープン!
この日の発表会では、JR舞浜駅前の商業施設「イクスピアリ」内に、9月1日までの期間限定で、「TAIYA CAFE」がオープンすることも発表された。
石原さとみさんや長瀬智也さんらが出演するテレビCMで見られた小道具はもちろん、実際に提供されるメニューも、「免震ミルフィーユ」「タイヤロールケーキ」など、CMの世界観をそのまま表現。CMに登場した「タイヤのリトレッド食い」も実際に体験できるという。
なお、このリアル「TAIYA CAFE」出店に合わせ、7月28日には、「タイヤセーフティーステーション」なるイベントが開催されるとのこと。タイヤの空気圧や残り溝の測り方を実際に体験できる企画をはじめ、低燃費タイヤ体験コーナーや低燃費技術実験コーナーなども用意。さまざまなグッズがあたる抽選コーナーもあるとのことだ。