ファイザーはこのほど、ハチに刺されたことのある人を対象に実施した「ハチ刺され予防策」や「ハチ毒アレルギー」に関する調査結果を公開した。同調査は、ハチに1回でも刺されたことがある20歳以上の男女500名を対象に、6月28日から29日にかけてインターネット調査で実施した。
ハチが向かってきた時、約4割はハチを刺激する行動に
「ハチが数匹向かってきた時、どのような行動をとるか?」と尋ねたところ、20.6%が「走って速やかにその場から離れる」、16.4%が「手や物などで振り払う」、1.2%が「大声を上げて追い払う」など、計38.2%がハチを刺激する可能性がある行動をとることがわかった。また、9.8%が「どのように行動すればよいかわからない」と回答し、合わせて半数近くの48.0%が適切な行動をとることができない可能性があることが明らかになった。
効果無しでも約半数が「アンモニア水を塗る」と回答
「ハチに刺された場合の適切な応急処置は?」と聞いたところ、「毒を指で絞り出す」は65.4%が、「傷口を水で洗い流す」は83.6%が、「患部を冷やす」は77.6%が適切であると回答した。一方、「アンモニア水を塗る」ことは効果がないにもかかわらず、約半数の49.2%が応急処置として適切であると回答した。
次回刺された際の症状に関する認知度低い
ハチ刺され経験者の5人に1人がハチ毒アレルギーによるアナフィラキシー発症リスクがある。また一度、ハチ毒によってアナフィラキシーを起こした人は、再度刺された時、前回よりも症状が重症化する可能性があるとされている。しかし、次回ハチに刺された場合、9.4%が「前回よりも軽い症状」、34.6%が「前回と同程度の症状」を発症すると思うと回答。13.0%の「わからない」を合わせると57.0%が危機意識に乏しい、ということが明らかになった。
アナフィラキシーの疑いがある危険な症状への認知度も低い
「ハチに刺された時、どのような症状を発症したら、命に関わる危険な状態に陥る可能性があると思うか?」と尋ねたところ、危険な症状である「しびれ」が18.8%、「むくみ」が7.0%、「じんましん」が13.8%、「腹痛」が13.0%、「下痢」は12.6%が回答したのにとどまった。アナフィラキシーの症状について認識が不十分であることが明らかとなった。
「アナフィラキシー」とは
「アナフィラキシー」とは、短時間のうちに起こる重篤なアレルギー反応で、腫れによる気道の閉塞や血圧の急激な低下により死に至ることもある。厚生労働省の調査によると、日本ではハチ刺されによる「アナフィラキシー・ショック」で年間20人ほどが死亡しているとのこと。
同調査では、このほかにも「ハチ刺され予防策」「応急処置」「アナフィラキシーの疑いがある場合の受診行動」「アナフィラキシーの発症時間」などに関する意識調査も実施し、ハチ刺され予防策およびハチ毒アレルギーについて、さらなる啓発の必要性を示唆している。詳細は同社のWEBサイトで閲覧できる。