Canonicalがクラウドファンディング・サイトIndiegogoでスマートフォン「Ubuntu Edge」を製造するための資金調達プロジェクトを開始した。出資受付期間は8月21日(太平洋時間)までで、目標金額は32,000,000ドルとなっている。
同社はUbuntu Edgeをスーパーフォンと呼び、その存在をF1カーにたとえている。「自動車産業ではフォーミュラ1が最先端技術のテストベッドになっている。Ubuntu Edgeプロジェクトのモバイルフォン産業における狙いも同様だ。クラウドファンディングを通じて熱心なユーザーやモバイルコンピューティングの専門家から資金を調達し、少数でも先端的なプラットフォームの提供を実現しようとしている」。少数としているが、最終製品を競争力のある価格にするためにはユニットコストを引き下げるためにある程度の生産台数が必要であり、そのために目標金額を32,000,000ドルに設定したという。
Ubuntu Edgeは、Ubuntuのスマートフォン向けインターフェイスを搭載したUbuntu phone OSとAndroidのデュアルブートをサポートする。デスクトップ環境でも活用できるのを特徴としており、Ubuntu phone OSで起動した端末をモニターに接続すれば、UbuntuデスクトップOSのフル機能を利用できる。またAndroidでもUbuntu for Androidアプリを通じて、Ubuntuのデスクトップ環境にアクセスできる。
公表されたハードウエア仕様は、ディスプレイが4.5インチ (1280×720)、マルチコアのSoC、4GB RAM、128GBのストレージを備え、LTEをサポートする。デュアルバンド 802.11n Wi-Fi、Bluetooth 4、NFC、GPS、電子コンパス、8メガピクセルカメラ(フロント)/2メガピクセルカメラ(リア)などを装備し、本体サイズは64×9×124ミリ。ただし、提供予定時期が2014年5月であり、"最先端の端末を提供する"という目的に従ってパーツを変更する可能性があるという。
クラウドファンディング・プロジェクトの出資額は、20ドル、600ドル、830ドル、10,000ドル、80,000ドルから選べる。20ドルの貢献者はUbuntu Edgeファウンダー・ページに名前が記載される。600ドルだと24時間限定の特別価格でUbuntu Edgeを購入する権利を得られる。購入した場合、米国と英国では送料無料。その他の地域は30ドルになる。830ドルの貢献者はUbuntu Edgeを1台、10,000ドルの貢献者は最初の50台の製造番号が刻まれたUbuntu Edgeを1台得られる。80,000ドルの貢献者へのリターンは、Ubuntu Edge100台を含むエンタープライズ向けバンドルだ。
なお、クラウドファンディングが失敗に終わった場合、CanonicalはハイエンドのUbuntu Edgeの開発を中断し、一般向けのUbuntu phone OS端末の提供に専念するという。