米Googleは「Google Glass」の製造能力の強化を目的に台湾の企業に出資するという。英Reutersが7月22日(米国時間)に報じた。出資先は同製品のディスプレイ技術で主要部品を製造する台湾Himax Display Inc (HDI)。同社株式の6.3%を取得する意向だという。
Himaxが製造するのはLiquid Crystal on Silicon (LCoS)と呼ばれるヘッドマウントディスプレイ等で利用されるディスプレイ技術製品の1つで、アナリストらによればGoogle Glassにおいてキーコンポーネントとなるものだという。現在Google Glassは開発者向けバージョンが1500ドルと非常に高価だが、Googleでは将来的に400~500ドル程度まで価格を引き下げたバージョンを来年以降にリリースするとみられる。実際、同種のデバイスは400ドル程度まで値下げ可能だという関係者の意見は多い。そのためには主要コンポーネントの値段引き下げとさらなる拡販が必須で、現時点で一般的な汎用部品とは言い難いヘッドマウントディスプレイ向け技術を製造するメーカーとの戦略提携を行ったとみられる。
GoogleではHimaxへの出資計画の存在を認めており、同社との関係は過去長年にわたるものであることを強調している。この報道を受けHimax株価は同日に33%上昇している。また1年以内であればGoogleが出資比率を増やして14.8%まで増やすことが可能としており、今後の動向を見て判断されるだろう。
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