米Appleは都市部の乗り換え/移動案内サービスを提供する「HopStop」を買収したと米Bloombergが7月19日(現地時間)に報じている。Appleは同日に別のビジネス情報検索サービス「Locationary」の買収も行っており、昨秋に華々しくデビューしたにもかかわらず不評だった地図サービスの徹底的なテコ入れに力を注いでいる様子がうかがえる。

同件はBloombergが報じている。HopStopは米ニューヨークを拠点にするスタートアップで、主にiOSやAndroidアプリを通じて都市部での公共交通機関や徒歩、自転車、車を用いての移動案内を行うサービスを提供している。現在AppleがiOSデバイス向けに提供している地図サービスではこうした都市部での細かい移動案内に対応した機能が存在せず、HopStop買収でこれを補完するのが狙いとみられる。なお、HopStopは米国を中心に、カナダならびに欧州の一部都市のみでサービスインしており、日本を含むアジア地域の移動案内には対応していない。そのため、買収後すぐにiOS標準地図でこの手の機能が日本向けにリフレッシュされる可能性は低いとみられる。

もう1つ、All Things Digitalが同日19日に報じているのは、Appleによる「Locationary」の買収だ。Locationaryはカナダのトロントを拠点とした企業で、企業や店舗など、各ビジネスの住所や電話番号が記載された情報をリアルタイムでデータベース化してサービスとして提供している企業。現在Apple謹製の地図サービスはYelpなど他社のサービスとの連携に依存している部分が大きいが、今後はこれも含めて自社内できちんとデータベース化とサービス運用を行っていく形になるとみられる。