RAPIROの拡張性とコミュニティについて
--:RAPIROは拡張性も魅力かと思います。ユーザーががんばれば、RAPIROに音声認識機能や赤外線の発信機能などを取り付けて、「明かりをつけて」「テレビをつけて」というだけでちゃんとそれができる機能なども可能なわけですよね? ほかにも、RAPIROがメールの着信をかわいい声で知らせてくれたりすとか
石渡氏:できますけど、もちろんまずその機能を実現できるセンサなどのハードウェアを入手してRAPIROのどこかに組み込んでしようできるよう改造する必要があります。なおかつプログラムも探すか自分で書かないとなりません。
--:結構大変ですね
石渡氏:ええ、それだけだと大変ですので、ユーザーのどなたかが作ったプログラムを登録してくれれば誰でもダウンロードできたり、誰かがブログでRAPIROに関する情報を載せてくれたらそれを紹介したりするといったことサービスのあるコミュニティを作ろうとは思っています。
そうしたフォーラムは必要だと思ってまして、Facebookも開いていますけど、Facebookは見られない人や使ってない人もいますから、それ以外に作ろうと思ってます。実名だと難しいという方もいますので、アカウント名で登録できるフォーラムがあった方がいいと思いますが、何分、今すでに申し込んでいただいている方でも製品が届くのが12月になりますから、そこまで整えるのはもう少し先になるかと思います。とりあえず、フォーラムは公式サイト内に作ろうと考えていますが、ユーザー数が予想以上に多くて裁ききれないような時は、その時にまた考えます。
--:何でも自分でできてしまう人にとってはとても扱いやすいRAPIROですが、そういうコミュニティができてダウンロードできるプログラムとかが充実してこないと、プログラムなどがわからない人を取り込むのはちょっと難しいかも知れませんね
石渡氏:そういう部分があるので、既存のホビーロボットとはぶつからないと思ってます。ROBIがそうしたことができるわけですが、あちらは1パッケージになっていて、説明の通りに組み立てればできますよね。でも、だいたい毎月8000円ずつ、トータルで15万かかるわけです。それだけのお金をかけられないという人は、RAPIROでもって自分でいろいろと工夫してもらう、というのがいいのではないかと思います。
--:考え方として、電子工作の世界に近い感じですね
石渡氏:そうですね。お話ししたようにホビーだけでなく、教育用としても考えていますので、いろいろとやろうと思えばできるのですが、実際のところ実用性の面では低めかなと自分では思ってます。例えば、ロボットバトルに出たら弱いでしょうし、足も遅いからほかのロボットと混在するようなアスリート系の競技会だと活躍できないかと。ただ、一通り揃っているということと、デザイン的にしっかりとしている点はRAPIROの優れた部分かと思います。
--:まぁ、ロボットバトルもU1K(アンダー1kg級)なら案外いけるかも知れません。RAPIROは重心が低いから倒れにくそうですし。バトル用のパーツをユーザーが自作してもいいわけですしね。もちろん、重量制限があるから、何でもかんでもは追加できませんが
石渡氏:ユーザーがRAPIROで既存のロボットバトルの競技会に出たいということでしたら、もちろん全然構わないと思います。ただ、バトルは最終的に勝者が1人ですから、一部の人だけが本気になって優勝を狙うような事態になっていくとついていけない人たちも出てきてしまうのは望ましくないです。私自身がもしRAPIROが参加できるイベントを主催するとしても、バトル系の競技会は今のところはあまり考えていないですね。もし私が大会を開くとしたら、競技会ではなくて品評会の方向でしょう。こういうプログラムを書いた、こういう外装パーツを作った、こういう機能を追加した、というのを見せ合うのが楽しいのではないでしょうか。そういう創作性を競う方が、長く盛り上がるのではないかなと思います。3Dプリンタ用のデータも公開しますので、プラモデルみたいな感じで楽しんでくれるユーザーも出てきてくれるものと予想していますので、創作性を競うタイプの大会ならいいなと思います。