3Dプリンタの活用について

--:なるほど。3Dプリンタの活用ということですが、これは市販キットのパーツの生産にも3Dプリンタを利用するということでよろしいのですか?

石渡氏:いえ、プロトタイプの開発に活用する形ですね。現状のパーソナル向けの3Dプリンタの工作精度はまだ低くて、RAPIROはフレーム自体を外装化してあるのですが、それをきっちり作るのは厳しいと思います。かといって精度の高い3Dプリンタを活用すると、RAPIROの価格を10万円ぐらいに設定しないとならなくなります。ですので、RAPIROの市販キットのパーツは、金型を使って作る予定です。ただし、標準パーツの外側にはめる形でオリジナルパーツを作製してもらうのはまったく問題ありませんから、3Dプリンタで自由に作ってもらって、自分だけのオリジナルRAPIROを作る楽しさを味わってもらえます。各パーツの3Dプリンタ用のデータも公開しますので、プラモデルみたいな感じで楽しんでもらえればと思います。

--:外装とフレームを分離させるといった改造方法を公開する人なども出てくるかも知れませんね。フレームだけで稼働できるようにして、その上に自由にパーツを装着できるようになると、さらに外装とかに凝る人たちが出てくるかも知れません。ちなみに、外装とフレームを分けるという設計コンセプトは考えなかったのでしょうか?

石渡氏:実はあったのですが、フレームと外装を分けると、パーツ数が倍になってしまうんですよ。今、パーツだけで27点ですが、それが50点以上になるわけです。そこにサーボもパーツとして加えると70点近くなるので、結果として組み立ての難易度も上がるし、コストも上がってしまいます。ですので、今は「この価格で最低でもここまではできる」というのを見せた上で、あとはユーザーの方に自由に楽しんでいただく、というコンセプトでRAPIROを作っています。