女優の永作博美主演の映画『四十九日のレシピ』(11月9日公開)が、8月22日からカナダで開催されるモントリオール世界映画祭の「Focus on World Cinema」部門に正式出品されることが18日、明らかになった。
同作は、作家・伊吹有喜の同名小説を原作に、『百万円と苦虫女』などで知られるタナダユキ監督がメガホンを取った。熱田家の母・乙美がある日突然他界し、ぼうぜん自失になった父・良平(石橋蓮司)を心配した娘・百合子(永作博美)は実家に戻ってくる。そんな2人の前に、不思議女子・イモ(二階堂ふみ)と日系ブラジル人の青年・ハル(岡田将生)が現れ、四十九日には法要ではなく、大宴会をすることが乙美の希望だったことを伝える。
同映画祭は、カナダ最古の国際映画祭の1つで、2008年には滝田洋二郎監督の『おくりびと』がグランプリを受賞したことでも話題になった。今回正式出品が決定した「Focus on World Cinema」部門は、世界の注目すべき映画に焦点を絞った部門。日本古来の故人を弔う「四十九日」という文化が、海外でどのように受けとめられるか、注目が集まる。
タナダユキ監督は昨年、『ふがいない僕は空を見た』でトロント国際映画祭に正式出品された。2年連続での海外映画祭出品にタナダ監督は「会えない人を思いながらも、何とか前に進もうとする人々を繊細に演じてくれた俳優陣の演技が国際映画祭でお披露目されることをうれしく思います」と喜びのコメントを寄せている。