家電メーカーや家電小売事業者、消費者団体などが参加するスマートライフジャパン推進フォーラム(愛称:スマートライフジャパン!)は7月18日、設立総会を開催した。

スマートライフジャパン推進フォーラムは、家庭のエネルギー消費を一層削減する取り組みとして、省エネ家電の普及やエネルギー消費の"見える化"による消費者意識の向上を目的とする団体。電力消費を抑えた省エネ家電、自宅で発電できる"創エネ機器"、蓄電池などの"蓄エネ機器"を賢く組み合わせて、エネルギーを効率的に利用する「スマートライフ」を日本全体が一体となって実現することを目的に設立された。

役員には、一般財団法人家電製品協会・理事長でソニー代表執行役兼取締役の平井一夫氏が会長として就任しており、以下副会長8名で平井氏を支える形となっている。

エネルギー先進国として高い消費者意識を

会長に就任したソニー代表執行役兼取締役の平井一夫氏

設立総会ではまず、平井氏が登壇。フォーラムの意義を説明した。

平井氏は冒頭、「3.11以降、節電の意識が高まり、メーカーとしても貢献が求められている」と、2011年3月11日の東日本大震災以降、日本のエネルギー事情が急変したことを強調。その上で「省エネ、創エネ、蓄エネが叫ばれるようになり、エネルギー先進国として日本の地位を今以上に高めるには、メーカーの環境技術だけでなく消費者としても高い意識を持つ必要がある」と団体の活動に理解を求めた。

そして、「そのような役割を果たすのが、スマートライフジャパン推進フォーラムだ」とフォーラムの位置付けを説明した。

続いて、「はじめよう、省エネ×創エネ×蓄エネ!」という統一標語と、フォーラムのロゴマークが発表された。

「はじめよう、省エネ×創エネ×蓄エネ!」を統一標語に掲げる

フォーラムのロゴマーク

資源エネルギー庁長官の上田隆之氏

エネルギーを他人任せにしておけない

平井氏の次に、来賓として招かれていた経済産業省・資源エネルギー庁長官の上田隆之氏(「隆」は「生」の上に「一」が入る字体)が登壇。

上田氏は「3.11以降、ユーザー(消費者)の中に『エネルギーを他人任せにしておけない』という意識が強くなった」とした上で、「スマートライフジャパン推進フォーラムが技術と消費者との接点になってほしい」とコメントした。

スマートライフで日本を元気に!

フォーラムの一日応援大使としてゲストに招かれた政井マヤさん

会には、元フジテレビアナウンサーの政井マヤさんが、フォーラムの一日応援大使として登場。平井氏とトークセッションを行った。

政井さんは「以前は、省エネというと窮屈な感じがしてしまうところがあったが、スマートフォンの普及で『スマート』という言葉が身近になっているので、『スマートライフ』という言葉なら楽しく賢く節電を行えそう」とフォーラムの名称に親しみを感じた様子。そして、「今はLED照明など省エネ技術が従来より進歩していて、消費者としてはそういう商品を賢く選ぶだけなのでラクに節電できる」と、ここ数年での省エネ技術の進歩に感想を述べると、平井氏が「メーカーとしても省エネに注力したい」と返答。

省エネの意義について、平井氏は「例えばスマートフォンの電池は省エネ技術の普及もあって、従来より長持ちするようになったが、電池が長持ちすればユーザーにとっての利便性も上がる」と単に電力消費の抑制に留まらない点に触れた。また、LEDの採用によって、現在の液晶テレビが5年前の製品より50%程度も消費電力が少ない点にも言及した。

政井さんは創エネについても興味があるようで、「自宅に太陽光パネルを設置している友人から、5月頃までは太陽発電で自宅の電力をほぼ賄えているという話を聞いて、いつかマイホームを持ったら自分も設置したい」とコメント。話はエネルギーを管理する「エネマネ」にも及び、平井氏が「HEMS(Home Energy Management System)など、電力の"見える化"が進んできているが、目に見える形にすることで動機付けにもなる」とHEMSの効果を訴えた。

トークセッションの最後に、政井さんは「日本は『もったいない』という言葉がある国だし、文化としても省エネは資源の少ない日本に合っている」とした上で、「スマートライフジャパンの活動を通じて日本が元気になってくれれば」と省エネ文化の発展に期待を寄せた。

フォーラムの役員と政井さんでフォトセッション

平井氏と政井さん