いざ、DVDストリーミング再生を試す

さて、ここで筆者から読者の皆さまへ質問。普段、スマートフォンやタブレットをどの程度「自宅内」で使用しているだろうか? 筆者はかなり自由にラフに使っていて、お風呂につかりながら動画を見たり音楽を聴いたりと、水没のリスクを背負ってまで使用している。これは自分自身でもマイノリティだと認識してはいるが、案外そういったヘビーユーザーも多いのではないだろうか。

もう1つ、2012年10月1日から著作権法が改正(施行)されており、コピー制御技術が施されたDVDを、コピー制御技術を回避してリッピングすることが違法となった。かつては、DVDをPCでリッピングしてトランスコード、そしてmicroSDカードなどにコピーし、スマートフォン/タブレットで視聴…という手段が使えたが(一部のDVDを除く)、現在は基本的にダメ(コピー制御技術が施されていないDVDをリッピングするのは違法ではない)。物理的なDVDをそのままスマートフォン/タブレットで再生する1つの手段として、LDR-PUA8U2Sはかなり有用だ。このあたりに関しては、別記事『「DVDリッピング違法化」にまつわる誤解を読み解く』を参考にして欲しい。

LDR-PUA8U2Sとストリーミングの関係(ロジテックのWebサイトより)

話を戻して、DVDストリーミング再生機能を試す環境の整備から。まず大前提は、LDR-PUA8U2SとPCをUSB接続し、そのPCとスマートフォン/タブレットが同じワイヤレスネットワークでつながっていること(PCと無線LANルータ/アクセスポイントは有線LAN接続でもかまわない)。さらに、PCとスマートフォン/タブレットにそれぞれ、必要なソフトウェアをインストールしておく。LDR-PUA8U2SにセットしたDVDを直接、スマートフォン/タブレットで再生できるわけではない点に注意。同一ネットワークへの接続は割愛させていただくとして、ソフトウェアインストールから順を追って紹介していこう。

とは言っても、PCへインストールするストリーミングソフト「Logitec WiFi Streamer」は、セットアップのダイアログに従いながら進めるだけと非常にカンタン。

付属のCD-ROMをドライブに挿入すると自動起動するトップメニューで、「Logitec WiFi Streamer」もしくは「ArcSoft Backup & Record」のボタンをクリック。ここではストリーミングソフトの「Logitec WiFi Streamer」を選択

インストール中の設定は、インストール先のフォルダと、この画面。基本的にすべてデフォルトで進める

一方、スマートフォン/タブレットにインストールする専用アプリは、iOS 5.0.1以降、もしくはAndroid 2.3以降で異なってくる。今回はiPad miniを利用しているが、App Storeで「Logitec WiFi Streamer」と検索すればカンタンに見つかり、インストールして準備完了と非常にお手軽。

App Storeで「Logitec WiFi Streamer」と検索。このアプリをインストールしよう。無料なのも嬉しいところ

インストールが終了したら起動してみよう

アプリが起動すると同じネットワーク上にストリームサーバ(Logitec WiFi StreamerをインストールしたPC)を探し、存在が確認できれば自動で接続してくれる

PC、iPad miniの準備が整ったところで、LDR-PUA8U2SにDVDソフトを挿入……。すると自動的に、ストリームサーバとなるPC側の「WiFi Streamer」がスタンバイ状態に。それを確認した後に、iPad miniで「WiFi Streamer」を起動。

ストリーミングサーバ(PC)に接続した旨のメッセージが表示され、「PCのHDDに保存された動画を再生する」「DVDドライブにマウントされている映像ソフトを再生する」「PCのHDDに保存された音楽を再生する」という3つの選択肢が。今回は「DVDドライブにマウントされている映像ソフトを再生する」をチョイスした。

おう! こんなにカンタンでいいの!? と言うくらいアッサリ再生がスタート!

……待つこと暫し。おお! 映像が始まった。「ストリーミングなので再生にまごつくんじゃないか」と不安があったのだが、それは杞憂だった。若干のバッフィングには目をつむるとしても、一度再生が開始されてしまえば、何らストレスなく視聴できた。映像のコマ落ちや、音飛び、音声の歪みなどもない。こうして快適に映像を楽しめるのは、普段お風呂で、しかもストレージ容量の少ないiPad miniで視聴している筆者にとって「容量を気にせず好きなときに好きな映像を見られる」という大きなメリットにうつった。

が、このシステム、現在はストリーミングサーバ(PC)と再生端末が1対1のみでしか利用できないのだ。複数の端末で同時にDVDを見ることができたら……と思いはしたものの、実際そのようなシチュエーションが訪れるのはまれ。筆者の場合は年に数度あるかないかのことなので、無視してもよい程度だ。

再生中の画面はこんな感じ。メニューを呼び出すには画面を一度タップすればご覧の表示が。画面の「タッチ」でDVDメニューを操作できるのは、実はけっこうスゴイことだったりする。画質の劣化などを感じさせないもの素晴らしい

いかがだっただろうか? バスパワーで駆動し、軽量・薄型・コンパクトな上に、ホームネットワーク内であればどんな場所でもエンターテインメントを楽しめるLDR-PUA8U2S。単独のポータブルDVDドライブとしては少し高価なのは否めないが、筆者は「湯船につかりながら、のんびり映画鑑賞できる(しかも、面倒な手間は一切掛けずに)」という一点において、非常に価値あるアイテムだと感じた。

1つ補足。LDR-PUA8U2SのストリーミングはDTCP-IPには対応していないので、著作権保護されたコンテンツは配信できない(スマートフォン/タブレットで再生できない)。今回は試していないが、具体的には、録画した地デジ番組をDVDにダビング/ムーブしたものなどが当てはまるだろう。