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ブラジルの研究チームは7月12日、定期的に魚を摂取することは、妊娠時の妊婦の不安やストレスを軽減する可能性があるとの研究を科学雑誌「PLOS ONE」にて発表した。

食事内容で妊婦をグループ分けし、不安度を測定

研究チームは、9,500人以上の妊婦を、摂取している食事によってグループ分けし、追跡調査を行った。

妊婦は、青魚やフルーツ、サラダなどをよく食べる「健康志向群」、主に赤身肉、鶏肉、野菜などを食べる「伝統群」、「ベジタリアン群」、「スイーツ群」などに分類された。妊娠32週の時点で、妊婦は不安などに関するアンケートに回答させられ、研究チームはグループ別に不安スコアの多寡を比較した。

魚に含まれる成分「オメガ3脂肪酸」が、不安軽減のカギ?

その結果、マグロやサーモンなどの魚を食べない、もしくはほとんど食べない妊婦は、週に1回以上魚を食べている妊婦に比べ、妊娠後期における高レベルの不安を持っている可能性が、53%高いということが明らかになった。妊娠時のストレスは珍しいことではないが、研究は妊婦の高レベルのストレスと低体重児につながりがあるとしている。

過去の複数の研究においても、魚に多く含まれている成分「DHA」などに代表されるような「オメガ3脂肪酸」が、抑うつや不安軽減などに影響を及ぼすことが示唆されている。そのため、研究チームは「血中におけるオメガ3脂肪酸濃度が低いことは、肉体の精神的ストレスへの反応に影響するのかもしれない」と話している。