米Appleがイスラエルのモーションセンサー技術企業買収を計画していると話題になっている。もともとはKinectのベースになった技術の1つを開発しており、カメラと深度センサーを組み合わせて物体の空間での動きを把握するものとなっている。現在開発している技術は指の動きなどさらに細かいオブジェクトい対しても有効で、もし買収が実現すればいろいろ面白い動きとなりそうだ。
同件はThe Vergeなどが報じている。元のニュースはイスラエルの地元紙であるCalcalistが報じたもので、今回Appleが買収を検討しているといわれるのが「Friimsns (Primesense)」というファブレスの半導体企業だ。それによれば、現在は異なる技術を採用しているものの、MicrosoftがKinectの原型モデルでセンサー技術として同社の製品を採用していたという。Kinectはカメラと深度センサー、マイクを組み合わせることで空間の動きや音声コマンド入力に対応しており、これと同種のセンサー入力がFriimsnsの技術でも可能だとみられる。なおPatently Appleによれば、Friimsnsは今年中にも指などより細かい物体の動きを検知する技術を発表する見込みだという。
この買収観測についてMashableがFriimsns CEOのコメントを報じたところによれば、同社は噂に対するコメントは行わないとしている。また前述The Vergeの中で公式声明として、今後も(売却ではない)成長機会をうかがっていくとのコメントを出しているようだ。いずれにせよ、実際の動きがあるまでは確認をとるのは難しいとみられる。
だが今回の件で再びクローズアップされつつあるのが、Appleの買収戦略だ。ここ最近になり、同社は技術系中小企業の買収を繰り返しており、特にイスラエル企業に着目するケースが増えているという。以前の著名なケースでも、フラッシュメモリ関連の技術を持つAnobit買収を行っており、イスラエル国内だけで300~400名規模の人員を抱える研究開発センターを設置しているといわれる。いずれにせよ、Friimsnsのセンサー技術は今後の搭載製品やアプリケーションまで、幅広い応用が考えられ、非常に楽しみだといえる。