スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ち、様々な部品や技術が搭載されています。そんなスマートフォンのカタログを見たときに、専門用語 のオンパレード……と思ったことはないでしょうか。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「防水/耐水性能」についてです。
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スマートフォンにかぎらず、精密機器を水に浸けることは厳禁です。水が回路に触れるとショートしたり、乾かしたとき不純物が部品周辺に残り故障を起こしたりするためですが、浸水の事実が確認されると保証対象外になるスマートフォンは多数あります。
しかし、最近では防水機能を備えたスマートフォンが増えています。2013年7月現在Android端末のみですが、水に濡らしても水没させても支障ないことは活用の幅を大きく広げます。
一般的に「防水」とは、水の浸入を防ぐという意味で利用されますが、電化製品についていう場合は水滴を浴びたり水没させたりしても機能に影響しない、という意味合いでも利用されます。
防水性能を客観的に比較できるよう、IEC(国際電気標準会議)では「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」を設けています。以前は日本工業規格(JIS)でも「水の浸入に対する保護等級(JIS防水保護等級)」として、0級から8級までの9段階が定められていましたが、現在ではIPコードが使用されています。
防水/耐水性能をうたう端末には、「IP○○」と表記されていますが、第1記号(2桁目)は防塵性能で未検証の端末が多く、便宜上「X」で置き換えられています。たとえば、「IPX5」の端末は防塵性能が未検証で防水機能はIPコード5級、ということがわかります。
なお、保護等級のうち7と8は、一定時間水中に置いた状態を測る潜水性能を示しています。そのため、「IPX5/8」のように保護等級0~6と併記することで、水流に対する強さと潜水性能の両方を明示するスタイルが普及しています。
図表と写真で解説
■水の浸入に対する保護等級を示すIPコード ※IECの規格では基準を明文化していませんが、ここではJIS保護等級の内容を記しています
0 | 特に保護なし |
1 | 鉛直に落下する水滴から保護される |
2 | 15度以内で傾斜させても鉛直に落下する水滴から保護される |
3 | 鉛直から60度の範囲で落下する水滴から保護される |
4 | あらゆる方向から水の飛沫を受けても有害な影響がない |
5 | あらゆる方向から噴流水を受けても有害な影響がない |
6 | あらゆる方向から強い噴流水を受けても有害な影響がない |
7 | 約30分、1メートル程度の深さに水没させても有害な影響がない |
8 | 継続して水中で使用(潜水)しても有害な影響がない |
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