米Microsoftは7月11日(現地時間)、事業部門の見直しを含む大規模な組織再編を発表した。「One Strategy、One Microsoft」という目標を掲げ、企業として全体が1つの戦略に向かう組織を目指す。
同社はこれまで製品に基づいて事業部門をグループ化していたが、グループ間の隔たりが生じていた上にマーケティングや人事といった機能が社内に分散していた。新体制では「エンジニアリング」「マーケティング」「人事」「COO」といった"機能"を軸にした組織にまとめることで、社内連携を強化し、一丸となって基本戦略を効果的に遂行できるようにする。例えば、エンジニアリングは「OS」「アプリ」「クラウド」「デバイス」の4つのグループで構成され、OSエンジニアリンググループはパソコンからモバイルデバイス、バックエンドシステム、クラウドサービスまでOSに関する全てをTerry Myerson氏が統括する。またSurfaceやXboxといったハードウエアも1つのグループに一本化する。
Myerson氏の他の主なグループリーダーは、Steven Sinofsky氏が退任してからWindows部門の責任者を務めていたJulie Larson-Green氏が、ハードウエア開発およびサプライチェーン管理を担うデバイス&スタジオ・エンジニアリンググループを率いる。アプリケーション全般、サービス技術、検索などを手がけるアプリケーション&サービス・エンジニアリンググループの責任者はQi Lu氏だ。先端戦略&リサーチ・グループはEric Rudder氏が率いる。Rick Rashid氏はMicrosoft Researchから離れ、OSグループにおいてコア技術開発に携わる。
マーケティング・グループでは、Windows担当のCFO兼CMOだったTami Reller氏がマーケティング全般を統括し、またクリントン陣営の選挙戦を支えてきたことで知られるMark Penn氏がマーケティング戦略を指揮する。Skype部門の責任者だったTony Bates氏がビジネス開発&エバンジェリズム・グループの責任者として重要なパートナーシップ (Yahoo!やNokia、OEM、シリコンバレーベンダーなど)を管理し、COOのKevin Turner氏が引き続きワールドワイドセールス、フィールドマーケティング、サービス、直営店、ライセンシングなどを担う。
組織再編は企業全体に及ぶ見通しで、11日にMicrosoftはCEOのSteve Ballmer氏が社員に送った電子メールを公開した。今後、既存チームでWindows 8.1やXbox Oneといった新製品のリリースを遂行しながら、年内をメドに新体制への移行を完了させる。