産労総合研究所は11日、定期刊行誌「賃金事情」にて実施した賃上げに関するインターネット調査の結果を発表した。調査期間は2013年5月、調査対象は従業員100人以上規模の企業に勤務する20~60歳代の正社員で、有効回答数は200人。
まず、今春、勤務先の企業で春闘があったかどうか尋ねたところ、「あった」は41.0%、「なかった」は43.5%で、ほぼ同率となった。詳細を見ると、3,000人以上の企業に勤める人の20.0%、20歳代の26.8%は「春闘があったのかどうかわからない」と回答した。
今年、月給(月例賃金)に変化はあるかとの問いに対しては、全体の49.5%が「変化はない」と回答し、企業規模、組合の有無を問わず「変化はない」が大多数を占めた。次いで、「上がる」が24.0%、「下がる」が13.5%、「わからない」が13.0%となった。年齢別では、20歳代と30歳代で「上がる」と答えた割合が高くなっており、ともに36.6%だった。
今年、ボーナス(賞与・一時金)に変化はあるかと質問すると、最も多かったのは「変化はない」で45.5%。次いで、「わからない」が26.0%、「下がる」が15.5%、「上がる」が13.0%となった。従業員規模別に見た場合、3,000人以上の大企業で「上がる」と答えた人は23.3%と、全体平均より10ポイント高くなっていた。
給料が上がるなら、月給とボーナスとどちらに上がってほしいかと聞いたところ、圧倒的多数の92.0%が「月給のほうがよい」と回答。それに対して、「ボーナスのほうがよい」は8.0%にとどまった。
給料が上がったら何に使いたいかと尋ねると、トップは「なるべく貯金したい」で34.0%。以下、「旅行や外出などのレジャーに使いたい」が19.5%、「住宅ローン等の支払いに充てたい」が14.0%、「日用品や食費など生活費の額を増やしたい」が12.0%、「子どもの教育や学費などに充てたい」が8.0%と続いた。産労総合研究所は、貯金が1位になった結果について「生活防衛に備えようとする意識の強さがみてとれる」と分析している。
各世代の賃金が働きぶりに見合った水準にあると思うか、各年代ごとに「回答者自身がその区分にあてはまる」人と「そうでない」人に分けて集計してみたところ、全ての年代で6割前後の人が「(自分の世代の)働きぶりに対し賃金が低い」と考えていることがわかった。「(自分の世代の)働きぶりに対し賃金が低い」と答えた割合が最も高かったのは30歳代で65.9%。一方、最も低かったのは40歳代で58.5%だった。