エアバス社向けの「Trent XWB-97」

三菱重工業は、英国ロールス・ロイス社が手掛ける、ボーイング787搭載の「Trent 1000-TEN」及びエアバスA350-1000搭載の「Trent XWB-97」の2つの新型エンジン共同開発事業に、それぞれリスク&レベニューシェアリングパートナー(RRSP)として参画する契約を締結した。

世界最高水準の環境適合型エンジン

三菱重工業は両エンジンに対し、航空エンジンの中核部分である燃焼器モジュールの開発・製造と低圧タービンブレードの製造を、また、Trent XWB-97エンジンに対してはそれらに加え、中圧タービンディスクの製造を担当する。

Trent 1000-TENエンジンは、2011年に市場投入されたボーイング社の中型旅客機787に搭載されている「Trent 1000」エンジン(推力7万4,000ポンド)の燃費・推力向上型。2013年6月のパリ航空ショーで、ボーイング社より事業着手が発表された、より大型の787-10(300~330席)を含む、787全シリーズへの搭載が決定している。推力は7万6,000ポンド。

Trent XWB-97エンジンは、現在飛行試験が進められているエアバス社の次期中型旅客機A350-800(250席級)及びA350-900(300席級)に搭載される「Trent XWB-84」エンジン(推力8万4,000ポンド)の燃費・推力向上型。より大型のA350-1000(350席級)に、独占的に搭載されることが決定している。推力は9万7,000ポンド。

Trent 1000-TEN、Trent XWB-97両エンジンは、ロールス・ロイスのTrentエンジンシリーズ最新鋭機となる。ロールス・ロイス独自の3軸構造設計を継承しており、世界最高水準の燃費効率と、騒音・排気ガスの低減の実現が目されている。