空調機器メーカーのダイキン工業とリサーチ事業を行うアイシェアは、全国の20代~70代の室内でペットを飼っている男女600名を対象に「人とペットが共生する室内環境と空気の課題」に関する意識調査を実施。今回の調査結果について、ペットの生態に詳しい、赤坂動物病院の柴内晶子副院長の専門家の立場による調査結果の解析とペットにとって快適な室内環境についての提言もあわせて紹介されている。

■ペットと暮らす家族の8割以上が「ペットのための適切な室温を知らない」
ペットが室内で暮らす上での適温を知っているか聞いたところ、84.3%が「適温を知らない」と回答。知らないと回答した人に、おおよそのイメージで適温について聞いたところ、夏場の室内環境のペットの適温は「25度以下(38.9%)」が最多となった。なお、知っていると回答した人でも「夏場は25度以下(50.0%)」が最多で、人間にとっても低い・寒いと感じさせる温度の回答が多かった。

「ペットが室内で暮らす上で、適温を知っているか」(左)と「ペットにとって適温だと思う温度」(右)

また、ペットの飼育年数が10年以上と長い人でも8割以上が適温を知らないと回答しており、飼育経験の長短にかかわらず、室内での適温について知っている人が少ないということがわかる。しかし、「エアコンの設定温度を、誰を優先して設定温度を決めるか」という質問に対しては、飼育年数が11年以上の人の68.9%、子どもがいない人の61.0%が「ペットを優先」して室温を設定していると回答しており、適温を知らないながらも、意識的にはペットを優先していることがわかった。

○赤坂動物病院 柴内晶子副院長の解析と提言
「空気の質・清浄」に加え、伴侶動物が室内で暮らす上で重要な要素は、「温度・湿度のバランスと管理」です。動物も熱中症になります。とくに犬は、人間のように全身に汗をかく機能が発達していない事もあり、人間よりも熱中症になりやすい動物です。また、品種改良により作られた鼻の短い犬種、たとえばフレンチブルドッグやシーズ、ボストンテリアなどは、呼吸効率が良くないため、特に暑さに弱いといえます。柴犬、秋田犬など毛が密生している犬種も、暑さには注意が必要です。さらに夏場は、温度設定だけでなく湿度コントロールも重要で、一概には言えませんが、夏は、温度:25~28℃/湿度:50~60%くらい、冬は、温度:20~23℃程を目安にします。あくまで、品種や、症状、個体差で適切な温度、湿度は変化します。適切な温度・湿度管理を行う事で、伴侶動物たちの生活をより過ごしやすくすることができます。

【調査概要】
回答数 : 600名
調査日 : 2013年6月3日~6月5日
年代比 : 20代~70代 各100名
※数値は小数点第二位で四捨五入
※調査はインターネット上で実施