『バッファロー'66』(1998年)や『ブラウン・バニー』(2003年)などで知られる鬼才・ヴィンセント・ギャロが、佐藤浩市主演の阪本順治監督作『人類資金』(10月19日公開)に出演していることが9日、明らかになった。
同作は、作家・福井晴敏の同名小説を原作に、阪本監督と福井が『亡国のイージス』以来、約8年ぶりにタッグを組み、共同脚本で映像化に挑む作品。旧日本軍の秘密資金である"M資金"を題材に、アクションあり、サスペンスありの世界を巻き込んだマネーゲームが繰り広げられる。佐藤のほか、香取慎吾、森山未來、観月ありさ、石橋蓮司、豊川悦司、寺島進、三浦誠己、岸部一徳、オダギリジョー、ユ・ジテ、仲代達矢といった豪華俳優陣が集結した。
ヴィンセント・ギャロが演じるのは、佐藤浩市演じる真舟らを追い詰めるニューヨーク投資銀行員のハロルド・マーカス。撮影は、アドリブも交えながらの11分ワンカット。彼の立ち振る舞いと現場の緊張感に、キャストとスタッフ一同、心を打たれたのだという。親日家のヴィンセント・ギャロにとって、同作が邦画初出演となった。
阪本監督は、起用の経緯について「彼の監督作品を見て、彼本人を想像した時、純粋ゆえに異端、強い愛着と拒絶、攻撃と自虐、建設と破壊…相反するものをいくつも自身の中に抱え、常に本当の居場所を求めてさまよう、そんなイメージが浮かび、それが役のハロルドの孤立感と重なり合ったからです」と説明。「撮影は、初めはお互い手探りで、それこそ撮影現場をさまようこともありましたが、彼の放つ異彩は、一気にハロルドの架空性を消し去り、恐れさえ覚えました。 心底、ヴィンセントに感謝しています」と称賛の言葉を送っていた。
(C)2013「人類資金」制作委員会