ポジティブ・アクションの推進状況は、大企業ほど高い

厚生労働省はこのほど、「平成24年度雇用均等基本調査」の結果を発表した。

ポジティブ・アクションの推進状況は、大企業ほど高い傾向に

固定的な役割分担意識や過去の経緯から男女労働者の間に事実上生じている格差を解消するため「女性の能力発揮促進のために企業が行う自主的かつ積極的取組(ポジティブ・アクション)」について、「取り組んでいる」企業割合は32.5%(平成23年度31.7%)、「今後、取り組むこととしている」企業割合は12.1%(同15.1%)、「今のところ取り組む予定はない」とする企業割合は54.0%(同51.9%)だった。

「取り組んでいる」企業割合を規模別にみると、規模が大きい企業ほどその割合が高く、5,000人以上規模で71.4%、1,000~4,999人規模で64.1%、300~999人規模で52.4%、100~299人規模で36.5%、30~99人規模で 29.4%、10~29人規模で20.4%となっている。

反対に、「今のところ取り組む予定はない」とする企業割合は、規模が小さい企業ほど高く、10~29人規模で67.3%、30~99人規模で57.5%、100~299人規模で49.2%、300~999人規模で31.2%、1,000~4,999人規模で21.0%、5,000人以上規模で13.1%だった。

ポジティブ・アクションに取り組まない理由は「すでに女性は十分に活躍している」

ポジティブ・アクションに「今のところ取り組む予定はない」とした企業の、取り組まない理由としては、「既に女性は十分に活躍していると思うため」が47.6%ともっとも高く、前回調査(平成23年度36.4%)に比べて11.2 ポイント上昇した。次いで「女性の意識が伴わない」が13.8%(同15.8%)、「業績に直接反映しないため」が6.3%(同9.2%)となっている。

ポジティブ・アクションに取り組まない理由は「女性は十分に活躍している」から

育児休業取得率は男女ともに低下

平成22年10月1日から平成23年9月30日までの1年間で、在職中に出産した女性のうち、育児休業を取得した人の割合は83.6%と、前回調査(同87.8%)より4.2ポイント低下。また、有期契約労働者の育児休業取得率は71.4%で、前回調査(同80.7%)より9.3ポイント低下した。

同じく男性では、育児休業を開始した者の割合は1.89%で、前回調査(同2.63%)より0.74ポイント低下。また、男性の有期契約労働者の育児休業取得率は0.24%で、前回調査(同0.06%)より0.18ポイント上昇した。

育児休業取得率は、男女ともに低下している

その他、同調査の詳細は同省平成24年度雇用均等基本調査ページにて確認できる。