石山寺縁起絵巻 谷文晁筆 七巻のうち巻四(部分) 19世紀 サントリー美術館蔵

サントリー美術館では8月25日まで、「生誕250周年 谷文晁」展を開催している。

「石山寺縁起絵巻」を修復後初公開

青緑山水図 谷文晁筆 一幅 文政5年(1822) 東京富士美術館蔵 (C)東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom

「谷文晁(たにぶんちょう)」(1763~1840)は、江戸時代後期の関東画壇で中心的役割を担った絵師。関東南画の大成者として知られるが、狩野派や円山四条派、土佐派、洋風画をも学ぶなど、各画法の折衷に努めて一家をなした巨匠の一人である。しかし、文晁の多作さと多岐にわたる様式は、彼の活躍ぶりを伝えると同時に、実像の把握を困難にしているという。

一方、文晁は松平定信や木村蒹葭堂(けんかどう)など当代一流の文化人たちと親しく交わり、渡辺崋山(かざん)をはじめとする多くの門人を育てた。

同展では、文晁の生誕250周年を記念し、文晁と人々との交流を軸に、彼の画業と功績をたどる。加えて、近年同館の所蔵となった谷文晁筆「石山寺縁起絵巻」を修復後初公開する。文晁の多彩な交友関係から生まれた名画の数々を観覧できる機会となる。

会場は、サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階)。会期は、7月3日~8月25日 10時~18時(金・土および7月14日は10時~20時)。いずれも最終入館は30分前まで。休館日は、毎週火曜日。ただし8月13日は18時まで開館。入館料は、一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料。その他、詳細は同館Webページで確認できる。