タカラトミーは、6月13日~16日に東京ビッグサイトで開催された「東京おもちゃショー2013」で、独自開発のサーボモーターを全身の関節に搭載してリアルな動作を実現したロボット・トイ、「完全自動変形トランスフォーマー」と「ムービング リアルゾイド」を参考出品した。

参考出品された「完全自動変形トランスフォーマー」と「ムービング リアルゾイド」

ともに30周年を迎えた同社の2大キャラクターを "フルサーボ" で本格的にロボット化するという意欲的な試みは、大いに来場者の注目を集めていた。

現場には開発者の方もいらっしゃり、様々なお話を伺うことができた。このレポートでは、それらも織り交ぜながら、試作品の詳細についてご紹介したい。

ロボット・ブランド「Omnibot」の系譜に位置づけた参考出品

展示コーナーは「ロボット・ラボ」と銘打たれ、タカラトミーの誇るロボット・ブランド「Omnibot(オムニボット)」をフィーチャー。エンターテイメント・ロボットの系譜を紹介し、今回の参考出品もそこへ位置づける形となっていた。

「ロボット・ラボ」コーナー全景。「Omnibot(オムニボット)」ブランドをフィーチャー

「1900年代」としてまとめられたエンターテイメント・ロボットの系譜。下半分が「Omnibot」シリーズ

タカラトミーの一方の前身である旧トミーは、もともとブリキのロボットをはじめとする動力付き玩具を得意としてきた。

その伝統を受け継ぎながら、EXPO'85 つくば科学万博の開催をひかえた1984年に発売されたのが、ホーム・ロボット「Omnibot」だ。大型のボディに本格的な機能を搭載し、玩具の域を超えた先進性で話題を呼んだ。

パネル下のショーケースには、1984年発売の初代「Omnibot」をはじめ歴代のシリーズが

昨年から展開中の「バトロボーグ」シリーズのコーナーにも、Omnibotの仲間、'80年代のトミー・ロボットシリーズが展示されていた

時は流れ、満を持してのブランド復活となったのが2007年。独自開発の小型サーボモーター「μ(ミュー)サーボ」を全身17関節に搭載した「Omnibot 17μ i-SOBOT(アイソボット)」が発売に。世界最小(当時)の二足歩行ヒト型ロボットとしてギネス世界記録にも掲載され話題となった。

さらに、昨年のおもちゃショーでは、1.5倍の出力を実現した「新型μサーボ」を搭載し、スマホでコミュニケーションが可能な四足歩行ペット・ロボット「i-SODOG(アイソドッグ)」も発表された。

「2000年代」のパネル展示。世界最小サーボモーター「μ(ミュー)サーボ」を紹介

「μサーボ」の紹介パネル。左上には実際のサーボを分解したパーツが貼られている

2007年に発売された「i-SOBOT」と、昨年のおもちゃショーで発表された「i-SODOG」

こうした流れを汲む形で今回新たに出品されたのが、「μサーボ」搭載のトランスフォーマー&ゾイドという訳だ。以下、それぞれの詳細を紹介していこう。

「NOW」という括りで、今回参考出品のμサーボ搭載トランスフォーマー&ゾイドを紹介

まさに究極! 完全自動変形トランスフォーマー「TYPE:CONCEPT」

「TYPE:CONCEPT」と名付けられた完全自動変形トランスフォーマーは、シボレー・カマロをベースとしたオリジナル造形。スマホ操作でワンタッチの自動変形を実現し、さらにカー・モードでのステアリング走行、ロボット・モードでの二足歩行やアクションまでこなすという、驚くべき代物だ。

「TYPE:CONCEPT」シルバー・モデルのロボット・モード。操作はスマホで

同型で色違いのレッド・モデルも展示されていた

その秘密は、昨年「i-SODOG」とともに発表された「新型μサーボ」。これに調整を加えたものを全身の関節に搭載することで、滑らかな変形や動作を可能にしている。なお、カー・モードでの走行用には「i-SOBOT」に搭載の初期型「μサーボ」を改造して使用。

サーボの構成は、脚部用に各5(×2)個、腕部用に各3(×2)個、胸部の変形用に1個。前輪駆動用に2個、ステアリング用に1個で、計20個となっている。……続きを読む