財務省は8日、2013年5月の国際収支(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は5,407億円の黒字となり、前年同月と比べて1,986億円(58.1%)黒字幅を拡大した。黒字は4カ月連続。貿易赤字は拡大したものの、サービス収支が黒字に転化したほか、所得収支の黒字幅が増加し、貿易収支の赤字を補う形となった。
貿易・サービス収支は8,626億円の赤字。赤字は14カ月連続となったものの、赤字幅は前年同月比で800億円縮小した。貿易収支が赤字幅を拡大したのに対し、サービス収支は黒字に転化したため、赤字幅が縮小した。
貿易収支は9,067億円の赤字。赤字幅は前年同月比で1,018億円増加し、9カ月連続で拡大した。
輸出額は前年同月比4,608億円(9.1%)増の5兆5,269億円で、3カ月連続の増加。輸出額は同5,627億円(9.6%)増の6兆4,336億円で、7カ月連続の増加となった。
また、同省関税局がまとめた5月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は5兆7,667億円で、前年同月比5,298億円の増加。主要地域別では、対米国が同1,463億円増、対中国が同799億円増など。一方、対EUは同274億円減、対アフリカが同140億円減などとなった。商品別に見た場合、鉱物性燃料は前年同月比688億円増、有機化合物が同450億円増などとなったのに対し、映像機器は同127億円減などとなった。
輸入額は6兆7,631億円で、前年同月比6,183億円の増加。主要地域別では、対中国が同1,856億円増、対中東が同1,274億円増などとなった。商品別に見ると、通信機が前年同月比811億円増、原粗油が同666億円増(金額は6.4%増、数量は0.7%増)などとなった。
サービス収支は441億円の黒字。前年同月比で1,818億円増加し、黒字に転化した。これは、輸送収支および旅行収支が赤字幅を縮小し、その他サービス収支が黒字幅を拡大したため。
所得収支は1兆5,228億円の黒字。黒字幅は前年同月比で1,201億円増加し、6カ月連続で拡大した。配当金・配分済支店収益の受取増加などにより直接投資収益が増加したことに加え、配当金や債券利子などの受取増加により証券投資収益も増加したためと見られる。
一方、資本収支は6,390億円の流入超(前月1,124億円の流出超)となった。