日本チェーンドラッグストア協会(以下、JACDS)はこのほど、一般用医薬品のネット販売に関する自主基準「医薬品ネット販売ガイドライン」を作成し、基準に適合するネット販売サイトを公開した。

2013年1月11日、最高裁判所で医薬品のネット販売を一律規制する省令は違法との判決が下り、6月14日には、政府の「日本再興戦略」において、医薬品のネット販売を原則解禁する方針が閣議決定された。

しかし、現行の法令で認められているのは、第3類医薬品のネット販売のみであり、「第1類および第2類医薬品のネット販売は、新たな法令が決定するまでは脱法または無法状態での実施となる」(JACDS)としている。このため、JACDSは新たな法令ができるまで、会員企業、購入者ともに安心・安全な状況で利用できるネット販売を目指し、業界自主基準を作成した。

JACDSは今回の自主基準作成に当たり、ガイドラインを全て満たす企業(店舗)のインターネット通販サイトに「適合店マーク」を貼付する制度を創設。企業(店舗)に対し、ガイドラインに基づいたチェックを行い報告するよう求めている。また、成りすましを防ぐため、「適合店舗名」をJACDSのホームページにするとした。7月4日現在の適合店舗は、ザグザグ(ザグザグ楽天市場店)、マツモトキヨシ(e!マツモトキヨシ)。

適合店マーク(出典:日本チェーンドラッグストア協会)

医薬品ネット販売における価格設定については、販売形態・方式の違いから、店舗と価格が異なっても差し支えないとしている。

ガイドラインでは、ネット販売基準として27項目を設定。主な項目は、「薬局、店舗販売業の実店舗を以て、通信および郵便販売等の届出を行うこと」「情報提供および相談応需を行う薬剤師または登録販売者の専門家名と氏名(可能であれば顔写真)を販売サイトに表示すること」「販売サイトに問合せの電話番号と、専門家が相談対応できる時間帯を表示しておくこと(この時間帯に情報提供し、発送を行うこと。ただし、注文の受付は24時間できる)」「副作用の疑いがある場合には、薬事法の規定に基づき、副作用等の報告を行うこと」などとなっている。

なお、今回発表したガイドラインは暫定版となり、国の新ルールが決定した時点で破棄される。