調査会社のイードはこのほど、20代以上の男女を対象にした「テレビに関する意識調査」を実施。調査結果を明らかにした。調査は6月6~10日にかけて、20代、30代、40代、50代以上の各年齢層で、テレビとインターネットを利用する男女に質問。各母集団につき100サンプルの合計800サンプルの有効回答を得た。
調査ではまず、1日あたりのテレビの視聴時間について質問(【グラフ1】)。平日に関しては「1日に2時間~3時間未満」という回答が27.6%でもっとも多く、休日に関しては「1日に3時間~5時間未満」という回答が31%で最多となった。2時間以上の視聴は、平日で70.9%、休日で82.8%と多数に上っている。20代に関しても、1日に2時間以上テレビを視聴するという回答は平日で65%、休日で80.5%となっており、「若者のテレビ離れ」との指摘が必ずしも実態に即していないとの認識を同社では示している。
同様に、インターネットの利用時間について質問したところ、1日あたりの利用時間が2時間以上という回答が、平日に関しては66.2%、休日では80.5%といずれもテレビの視聴時間を下回っている(【グラフ2】)。テレビについての考え方を問うたところ、「楽しい気持ちになれる」(72.3%)、「自宅で過ごす時間を楽しむのにテレビは重要だ」(71.3%)などの回答が多く寄せられた(【グラフ3】)。
スマートテレビが浸透中? 4人に1人がテレビをネットに接続
調査では、「スマートテレビ」についても質問。一般的にスマートテレビとは、インターネット接続が可能で多彩な機能を搭載したものとイメージされている。今回の調査でなされた「現在、テレビをインターネットに接続して利用しているものは」との質問では、26%がネットを用いた双方向番組への参加やWeb閲覧など、何らかのインターネットコンテンツをテレビで楽しんでいることが分かった(【グラフ4】)。
また、最近ではテレビ番組にもTwitter連動のものが多く見られるが、今回の調査対象者でTwitterやLINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワークサービス)を利用しながら、あるいはその他の情報機器を利用しながらテレビを見る"ながら見"の経験者は約7割にも上っている(【グラフ5】)。20~30代の4人に1人が、こういった"ながら見"の機会が増えた回答したほか(【グラフ6】)、あるテレビ番組を見るきっかけが「ネットで取り上げられたから」というケースが36.8%もある(【グラフ7】)など、テレビと情報端末の関係性は深まっている。
スマートテレビが浸透し、テレビで多彩なコンテンツや機能を利用できるようになる一方で、シームレスな機能切り替えなどが求められるようになる。調査では、現在所持しているテレビについての不満を尋ねたところ、画面のサイズ、応答性能、画質といった定番項目に混じって、リモコンの操作性、番組の検索など、操作性についての不満も多く挙げられた(【グラフ8】)。これに対して回答者の関心が高いものを問うたところ、「分かりやすく直感的な操作」(52.4%)、「リモコンを使わない操作」(21%)が上位にランクイン(【グラフ9】)。スマートテレビユーザーが画期的な操作方法を求めていることが分かった。
調査ではさらに、テレビで録画しておいた番組をスマートフォンやタブレット端末で見たり、逆にスマートフォンやタブレット端末の映像をテレビで見たりと、シームレスな利用を求めていることも分かった。テレビのスマート化を前提に、テレビ番組やネットコンテンツを一度に表示するのに十分なサイズ、リモコンの操作性向上、スマートフォンやタブレット端末との連携強化などにより、新しい視聴スタイルが求められていると、調査は締めている。