2012年度に発生した鉄道係員(駅係員や乗務員など)に対する暴力行為の発生状況が3日、発表された。暴力行為の件数は減少しているものの、引き続き暴力行為の根絶を訴えるため、12日から日本民営鉄道協会加盟各社やJR5社、東京都交通局など76社局で暴力行為防止ポスターを掲出するという。
鉄道係員への暴力行為の件数・発生状況について集計を行ったのは、大手私鉄16社とJR東日本、JR東海、JR西日本、東京都交通局、横浜市交通局、名古屋市交通局、大阪市交通局、東京モノレール、北総鉄道、愛知環状鉄道の計26社局。昨年度の暴力行為の発生件数は828件で、2011年度の911件より83件減少。2010年度(868件)、2009年度(869件)も下回り、過去5年間では2008年度の752件に次ぐ少ない数字となった。
一方で、金曜日から日曜日の22時以降、とくに飲酒をともなった場合に多発する傾向が続いていることも明らかに。発生場所は改札が最も多く346件。次いで、ホーム(233件)、車内(123件)、通路(24件)の順となった。加害者の年齢層には大きな差異はなかった。
これを受けて、鉄道事業者76社局は12日から、駅構内や列車内などに暴力行為防止ポスターを掲出。「STOP暴力」という直接的な言葉と、改札機をモチーフにしたデザインで、暴力行為を未然に防ぐことをめざすとともに、鉄道業界全体が結束し、暴力行為に毅然とした態度で対応することを訴える。「暴力行為防止ポスター『STOP暴力』」は、駅構内に7,000枚、列車内に約5万6,000枚掲出する予定。掲出期間は9月11日まで。